常総市/デジタルミュージアム

水海道市史 上/下

水海道市史 上巻

第四編 近世の水海道地方

第二章 幕藩支配と農村

第三節 江戸幕府の検地制度

検地はもちろん幕府だけが行うものではなく、封建領主が独自の立場でその領国内に対し、これを行うこともあった。検地の方法についてはこれを省略するが、検地を行えばその結果を一帳の帳面に記録し、永久にそれを保存することにした。これを記録した帳面のことを検地帳といい、また別に水帳、御図(みず)帳、竿帳、縄帳などの名称をもって呼ばれることもあり、記帳の内容は検地を実施した土地の地名、等級(上、中、下、下々)、面積、石高、作人など詳細にわたり、それを二部作成し、一部は領主側の勘定所又は奉行所で保管し、他の一部はその村の名主が保管することになっていた。なお、検地帳に記載された作人はこれを本百姓といい、その本百姓は水呑百姓(小作百姓)と異なり、年貢その他諸役の負担を義務づけられていたので、支配階級にとってはこの検地帳は、領国支配の基礎的資料となるもので、極めて重要なものであった。
 水海道市域にはその検地帳がいま各地にのこされているが、そのうちの一つとして旧福崎村にのこる寛永一一年(一六三四)の検地帳をみてみよう。
 次にかかげた表は福崎村の検地帳を解析したもので、番号1から48までの人名は耕作者である。そのうち1から24までは福崎村に屋敷を持つ福崎村在住者であるが、25以下は「屋敷無」とあるから非在住で福崎村以外の村落に居住し、福崎村には単に耕作地のみを持っていて、常住村落より出張(でば)って耕作するいわゆる出作(でさく)百姓であった。また、表中の「同人抱」は、それぞれ上記の名請人(2・4・13・17)に従属していた農民で、家屋敷や零細な耕地を持ち、本家(あるいは親方)に労力を提供することによって生計を得る家抱(けほう)などと呼ばれた者と考えられる。「定使」は定夫(ありき)ともいわれ、名主からの触・夫役等の命令伝達を主な役職としていた。
 出作百姓の年貢は当然出作村を通じて領主に納めた。それは江戸時代における年貢賦課の対象は個人でなく、あくまで村落がその単位であったからである。
 

福崎村寛永検地帳

 
下総国豊田郡福崎村寛永11年検地帳による田畑内訳
番号名 請 人屋 敷
  反 畝反 畝反 畝
1彦次郎  43.08 13.10 1.00  57.18
2三十郎 1.51.05 44.03 2.20 1.97.28
3(同人抱) 2.20  2.20
4四郎右衛門 1.33.20 35.10 3.00 1.72.00
5(同人抱) 3.06  3.06
6久七郎 1.01.19 50.04 3.06 1.54.29
7将 監 1.16.11 14.28 1.19 1.32.28
8甚五郎  73.20 18.29 2.12  95.01
9大 学  82.08 17.16 0.22 1.00.16
10久左衛門  94.03 14.25 2.28 1.11.26
11与右衛門  75.24 18.22 1.25  96.11
12主 水  89.20 23.19 2.16 1.15.25
13新五郎 1.32.16 26.02 2.06 1.60.24
14(同人抱) 2.25  2.25
15助 作 1.25.08 28.19 1.21 1.55.18
16弥 惣 1.03.00 21.07 2.10 1.26.17
17助兵衛  83.14 22.17 2.25 1.08.26
18(同人抱) 1.18  1.18
19彦七郎  51.26 17.29 1.19  71.14
20佐 助  78.22 16.14 2.05  97.11
21茂右衛門  87.05 15.25 2.12 1.05.12
22弥右衛門  69.22 13.26 2.28  86.16
23(定使) 2.12  2.12
24久右衛門 2.11.24 68.03 5.06 2.85.03
25彦右衛門  32.04  0.17  32.21
26彦 惣  54.08  54.08
27彦 蔵  3.06 11.02  14.08
28彦五郎  62.14 22.16  85.00
29与 作  79.14 10.13  89.27
30弥左衛門  49.26 13.11  63.07
31弥 作  64.05 32.03  96.08
32弥八郎  0.20  0.20
33兵 庫  94.28 24.19 1.19.17
34久 蔵  26.23  26.23
35庄 吉  54.14 10.19  65.03
36又 蔵  79.14 24.28 104.12
37茂左衛門  65.00 26.04  91.04
38太郎右衛門  17.08  0.16  17.24
39甚三郎  46.20  46.20
40源右衛門  25.04  25.04
41内 匠  14.08  14.08
42外 記  9.18  9.18
43八右衛門 3.44.28 3.44.28
44(郷中抱)  13.12  13.12
45不 明  4.20  4.20
46不 明  25.11  25.11
47勝泉院  68.00 27.04  95.04
48除 地  15.19
31.31.226.95.2858.0138.85.21