常総市/デジタルミュージアム

水海道市史 上/下

水海道市史 上巻

第三編 中世の水海道地方

第二章 幕府の衰亡と郷村

第二節 郷村の年貢諸役

この文書は鎌倉初期の取箇の覚で、豊田親治が代々豊田三三郷(内、岡田の一二郷を含む)を、また、一代か二代の間下幸嶋の内一二郷を領した所の年貢諸役を記している。一郷が一村、又は数か村の惣組織になっている。幕府派遣の検地縄張奉行は豊田では岩城氏と箙(えびら)氏、下幸嶋では岩城氏と畠山氏である。年貢額は踏襲されているが、駒跿(こまはね)(岩井)のように百姓が激減した場合や大谷口(岩井)のように水害の多い村は年貢を減免し、永久に減額している例もある。土地反別の記入はないが、調べた年代の「けんりゃく」は、元暦よりは、畠山六郎の経歴により建暦がよい。写し替えた嘉吉一一年は誤記で実は享徳二年(一四五三)である。干支(えと)も合わないが、よくみると後筆である。郷村名は仮名書きで濁音がないから括弧内に漢字で記した。欠字と思われるところは補筆した。「将門記」に出ている「ほっと」など同じ村もある。
 

宗任神社(表紙)

 今も下総人は「い」と「え」の発音の区別ができないが、当時も「いわい」「ゆわへ」と混用している。記載は幸嶋は年貢と夫銭を別にしているが豊田は合せて出している。納表数に対し倍数の銭を納めている。
 斗物(はかりもの)一二杯とは三升入の桝で穀物を俵に入れることで一俵は三斗六升入である。
 替籾(もみ)とは水田が少なく米納ができない村が麦・稗・大豆等にて籾に替えるをいうが、雑穀一俵は籾一俵(白米半俵)である。
 納期は夏秋とある。夏成は麦で秋成は米や大豆・稗等である。
 幸嶋の袴摺(はかますり)は豊田では「役人江」で役人へ支払う手数料、役人面(免)は役人の持っている田畑のうち免税になる分である。年始銭と年頭銭は同じで正月に鎌倉府に伺候して捧げる。水海道の羽生と大輪は覚が二度でているが、「堀之内」が大輪村に二か所、羽生村に一か所ある。地頭が大輪には二人と羽生には一人いたわけである。この小地頭の上に小河(小貝と鬼怒間)のうち一七郷、大河(鬼怒飯沼間)のうち一六郷、合わせて三三郷を領した豊田氏のような郡地頭がいる。また、年貢を運ぶ役を勤める数郷の地頭もいる。以上のように文書は貢納のみでなく、中世の惣(郷村)を知るによい史料である。
 将門の豊田兵は四〇〇余人とあるが、豊田郡のうち水海道を一とすれば、以北は三であり、水海道以南は六分の一くらいである。これは納貢(2)額の比率によるものである。しからば水海道からは一〇〇人の兵を出したわけになる。こうしたことを推量するにもよい史料である。
 年貢銭の貫数と斗物の俵数の比は豊田郡郷村は一対二で幸嶋郡郷村では概ね一対一・五である。斗物は籾をおろした玄米を桝ではかって俵に入れる。夏成・秋成は納期を示し、夏作は麦で、秋作には大豆もあるが、ここでは稲である。幸嶋郡の郷村には夏成・秋成の記がない。すると俵数は米であるから雑穀は銭納としたか。幸嶋で郷村から領主への正月年始銭を豊田郡では年頭銭としてある。
 郷村役人は一か所で二~三人で、年始銭(給料)は一人一〇〇文であるがそれぞれ二五〇文の税がある。枝村があるがこれは分村で郷の内に入れられている。水海道南方になると年貢の表現は各郷の村々ごとに出ている。
 次に幸嶋一二郷、豊田三三郷を原文のままで記載してみよう(郷村名の仮名書きは現在名の漢字で付した)。
 
幸嶋(さしま)十二郷
一 くつかけ(沓掛)のかう
 廿弐貫文―御年貢 夫銭―八貫文かいもみ(替籾)おなじ(同)に 十二月はい(杯)入にて 五十ひゃう[俵] 正
 月御ねんしせん
―壱貫文 一貫文はかますり[袴摺]
一 とみた(富田)の郷御ねんぐ
 拾五貫文 ミねんぐ合せ六貫文(半谷の拾壱貫文と合せて)
 五貫文 はかり物 卅表[三十俵] 是も一斗二舛[升]入ます[桝]は何も同事八百文―御ねんし銭 壱貫文―は
 かますり
一 はんにゃ(半谷)
 八貫文 はんにゃ本郷(富田) 夫銭―五貫文
 参貫文 はんにゃ 合八貫文
 三十表 はかり物 廿ひゃう(半谷の分)両所にて
 五十表 是もおろしに壱斗二舛入
 一貫文 御ねんし[年始]せん
 壱貫文 はかますり 両所にて年々
一 こまはね(駒跿)の郷 是ハ(先)千年は拾七貫ニ候へとも百姓中絶之時分二貫文に末代御ゆるし被成 拾
 五貫―ミねんく夫銭(欠)
一 またて(馬立)の郷
 拾五貫文―ミねんく 五貫文―夫銭
 廿俵―斗物八百文―御ねんし銭
 壱貫文―はかますり
一 ゆた(弓田)のかう十人之百姓中
 四十貫文ミねんく
 十貫文夫銭
 七十表はかり物おろしに壱斗二舛入
 壱貫五百文御ねんし銭
 弐貫文はかますり
一 くうた(宮田で後幸田に)のかう
 廿参貫文御ねんく
 八貫文夫銭
 五十表はかり物壱斗十二舛入おろしに
 一貫文御ねんし銭
 壱貫文はかますり
一 神田山郷
 廿貫文御ねんく
 八貫文夫銭
 五十俵はかり物 一斗二升入
 一貫文御年始銭
 一貫文はかますり
一 大口 ねこざね(猫実)
 五貫文みねんく
 弐貫夫銭
一 かりやと(借宿)
 五貫文御ねんく
 弐貫文夫銭
 五貫文御ねんし銭 大口 猫実 借宿
 一貫はかますり 是も三ケ所にて
 廿五俵斗物 三ケ所(大口猫実借宿)にて
一 やはき(矢作)のごう 戸七郷之内
 卅五貫文みねんく
 七十俵斗物
 十貫文夫銭
 一貫文御ねんし銭
 仁貫文はうちと(法師戸合)はかますり
 五百文郷にて(法師戸の分)はかますり
一 大崎之郷  八間(八軒)にて
 せん[先]は拾八貫之郷にて候へ共水入之わひ[詑]事に一貫文の御年貢末代ひけ[引]申候
 五貫文のみ年貢銭 やはきの郷へさんや(山野)を出し申しひけ申候 それ故[補]六貫文ひけ申候
 今は拾二貫文 御ねんく
 四貫文夫銭
 廿五俵はかり物
 八百文御ねんし銭
 一貫文はかますり
一 大屋くち(大谷口)七間(七軒)之百姓
 いにしへ[古]は十五貫に候へ共水入御座候間末
 代仁貫文ひけ申候
 只今は拾三貫之御ねんく
 廿五俵斗物
 四貫文夫銭
 八百文御ねんし銭
 一貫文はかますり
一 むしろうち(筵打)
 拾貫文御ねんく
 四貫文夫銭
 廿五俵斗物
 五百文御ねんし銭
 一貫文はかますり
一 下さしま廿四むらにて
 五百貫文御ねんく候へとも
 拾貫文 ゆわへ(岩井)のかうへ拾貫文御ゆるしにて候
 五貫文 ゆた(弓田)へ末代御ゆるしにて候
     是はとやに(下欠)
 二貫文 こまはねへ末代御ゆるしにて候
 仁貫文 大屋くちへ末代御ゆるしにて候
 一貫文 大崎へ末代御ゆるしにて候
  合廿貫文末代之御ゆふめん[宥免]にて候
 永代之御ゆふめんに付而
 四百八十貫(他領九ケ村を合)に被成候  夫銭
 百五十五貫に御かんしゃう(勘定)
 おもみ千俵 御かんちゃういたし申候
 百姓中はいわい(岩井)のとみ山源六郎 ゆたのそめや(染谷)助二郎 矢作の富山与二郎 両三人の
 たいしゃう廿四ケ村の百姓中共ひきつれていいたせうたらう[飯田正太郎]同心いたしひきいいたし候
 御しらべ[調]の御方は
  ゑひら[箙]の左衛門殿
  岩城左衛門太夫殿
         御鎌倉御中居
   かきつ(嘉吉)拾壱年(きのへね年)二月半十八日


 
 
豊田三十三郷
 四拾貫文[地名欠字]―御年貢銭斗物八拾俵―夏秋ニ
 壱貫文  御年頭[始]銭五百文―役人江
 壱貫五百文 役人面[免]
   若宮土(戸)村
 卅貫文―御年貢銭斗物四拾俵 夏秋ニ
 七百五十文―御年頭銭 三百文―役人江
 八百文 役人面 是は三ケ村にて壱郷也
   おさかへ(長萱)の郷
 六拾貫文 御年貢銭斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文 役人江
 壱貫文  役人面
   いこたつ(伊古立)の村
 四拾貫  御年貢銭斗物八十俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文 役人江
 壱貫文  役人面
   むらおか(村岡)枝
 廿貫文  御年貢銭斗物四十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭弐百文   役人江
 七百五十文 役人面
   水すな(水砂)の村
 廿貫文  御年貢銭斗物四十俵 夏秋ニ
 七百五十文 御年頭銭  弐百文 役人江
 七百五十文 役人面是三ケ村にて壱郷也
   白鳥郷
 六拾貫文  御年貢銭斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫五百文 御年頭銭  五百文 役人江
 壱貫五百文 役人面
   からさき(唐崎)村
 五拾貫  御年貢銭斗物百俵  夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文  役人江
 壱貫文  役人面
   みた(見田)のむら
 廿貫文  御年貢銭斗物四十俵 夏秋ニ
 五百文  御年頭銭  弐百文 役人江
 壱貫文  役人面是三ケ村壱郷也
   すめたの郷
 四十貫文 御年貢銭斗物八拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文 役人江
 壱貫五百文 役人面
   おほ河(小保川)のむら
 (十貫文) 御年貢銭 斗物廿俵 夏秋ニ
 五百文   役人江 是は袋畠之枝也
  是三ケ村(3)にて壱郷也
   かめさきのむら
 卅貫文  御年貢銭斗物六十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文 役人江
 壱貫(ママ)文(4)  役人面
   はら(原)の村
 廿貫文  御年貢銭斗物四十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  二百文 役人江
   ひちや(肘谷)のかう
 六十貫文 御年貢銭斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫五百文御年頭銭  五百文 役人江
 壱貫五百文 役人面
   くちら(鯨)の村
 四十貫文 御年貢銭斗物八拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭   五百文 役人江
 壱貫文  役人面是は三ケ村にて壱郷也
   すさきの郷
 廿貫文  御年貢銭 斗物四十俵 夏秋ニ
 五百文  御年頭銭   三百文 役人江
 七百五十文 役人面
   門宮村
 廿[拾カ]貫文 御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭  弐百文  役人江
 五百文  役人面
   青柳村
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭 弐百文   役人江
 五百文  役人面
   さぶくろ村
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭 弐百文   役人江
 五百文  役人面是は四ケ村にて壱郷也
   豊田本郷 上郷本郷のところ共 是は三ケ村にて
 百廿貫  御年貢銭 斗物弐百四十俵夏秋ニ
 弐貫文  御年頭銭  壱貫文  役人江
 三貫文  役人面
   石毛之(ママ)あら河(荒川)是壱郷
 百六拾貫文御年貢銭 斗物三百廿俵夏秋ニ
 弐貫文  御年頭銭  壱貫文  役人江
 三貫文  役人面
   たかやなぎ(高柳)村
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭 弐百文   役人江
 壱貫文  役人面是は三ケ村にて壱郷也
   かまには(鎌庭)のむら
 四十貫文 御年貢銭 斗物八拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭   五百文 役人江
 壱貫文  役人面是三ケ村にて壱郷也
   袋畠之村
 六十貫文 御年貢銭 斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫五百文御年頭銭   五百文 役人江
 弐貫文  役人面
   矢田部村
 卅貫文  御年貢銭 斗物六十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫文  役人面
   はねこ(羽子)のむら
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  (夏秋ニ)
 五百文  御年頭銭  二百文  役人江
  ちゃう[縄]を打申候間よさへは無御座候
   ふるさわ(古沢)のかう
 八拾貫  御年貢銭 斗物百六拾俵夏秋ニ
 壱貫五百文御年頭銭  五百文  役人江
 三貫文  役人面
   なめた(行田)かう
 六十貫文 御年貢銭 斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文   役人江
 弐貫文  役人面是は二ケ村にて壱郷也
   くろす(黒須)のむら
 六拾貫文 御年貢銭 斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文   役人江
 壱貫文  役人面
   下栗のむら
 六十貫文 御年貢銭 斗物百廿俵  夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
  (役人面へ欠)
  小河之中
   ひけ(比気)のかう
 卅貫文  御年貢銭 斗物六拾俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫文  役人面
   ひきちの村
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭  弐百文  役人江
 五百文   役人面
   かはらほんこう(本郷)
 六十貫文 御年貢銭 斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫五百文御年頭銭 五百文   役人江
 三貫文  役人面
   にいほりの村
 卅貫文  御年貢銭 斗物六拾俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫五百文役人面
   田下村
 卅貫文  御年貢銭 斗物六拾俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫五百文役人面
   さねまつの村
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  役人面
   松岡村
 廿貫文  御年貢銭 斗物四拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫文  役人面是は二ケ村にて壱郷也
   河又之郷
 五貫文  御年貢銭(河又)
 五貫文  御年貢銭 野中にて
 五貫文  御年貢銭 是は寺畠枝
 五貫文  御年貢銭 是はほそしろ(細代)枝
 斗物   四十俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
 壱貫文  役人面是は四ケ村にて壱郷也


 

河又之郷

   河崎之郷
 拾貫文  御年貢銭 (河崎)
 五貫文  上たか袋 下たか袋
 八貫文  かうちむかい
 拾貫文  上おめ(小目)
 八貫文  おにおさ(鬼長)の村
 合四十貫文御年貢銭是は五ケ村にて壱郷也
 斗物八拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
 五百文  役人面
   本郷たかやなき(高柳)
 廿貫文  御年貢銭 斗物四十俵 夏秋に
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
   壱貫文  役人面
   みさか(三坂)のむら
 卅貫文  御年貢銭 斗物六十俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
   しらはた(白畑)山とう内にて
 五貫文  御年貢銭
   とへた内
 五(拾)貫文  御年貢銭 斗物廿俵夏秋両所にて
 五百文  御年頭銭  弐百文  役人江
 五百文  役人面是は六ケ村にて壱郷也
   中妻郷
 四拾貫文 御年貢銭 斗物八十俵 夏秋
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
 壱貫文  役人面


 

三坂・中妻

   ちつ気(十家)のむら
 拾貫文  御年貢銭 斗物廿俵  夏秋ニ
 五百文  御年頭銭  弐百文  役人江
 五百文  役人面
   りゃうせん(霊仙)寺つゝら内にて
 拾五貫文 御年貢銭 斗物卅俵  夏秋ニ
 七百文  御年頭銭  弐百文  役人江
 五百文  役人面是四ケ村にて壱郷也
   水かへと(水海道)のかうふきあけ(吹上)かうや(高野)まで
 六拾貫文  御年貢銭  斗物百廿俵 夏秋ニ
 壱貫五百文御年頭銭  七百文  役人江
 弐貫文   役人面
   こやまと(小山戸)のむら
 卅貫文  御年貢銭 斗物六十俵 夏秋ニ
 七百文  御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫五百文役人面
  合千七百八拾貫文 御年貢銭
  合三千五百六拾俵 斗物
  合四拾参貫九百文 御年頭銭
  合拾八貫六百文  役人江年頭銭
  合五拾弐貫五十文 役人面
   拾七郷 小河之内
  御しらべの衆
   畠山六郎殿
   岩城八郎殿
  けんりゃく(建暦)三年きのとのい拾月七日
   御鎌倉之御中居
  御鎌倉へ内夫之御事
   小河十七郷にて 五人
     飯沼六村にて  弐人
     若 四ケ村にて 弐人
     大河内六村にて 弐人
  合大河拾六郷之内にて 五人
 合 廿三郷にて    十人
  卅三郷之代官 是はおかみとうせん殿預ケ御申被成候
  いつれ所百姓とうせん殿請合いたし年中ニ御年貢納申也


 

水海道・小山戸

  飯沼之郷御しらべえ[の]ちゃう[帳]
   たんせんつゝら郷の御(年貢銭欠カ)已上
 百廿貫文 夏秋ニ俵弐百四十俵
 弐貫文  御年頭銭  壱貫文  役人江
 三貫文  役人めん
  ちゃう[縄]を打申候程によ[余]さへは無御座候両村にて壱郷(5)
   羽生之郷
 四拾貫文 御年貢銭 斗物八拾俵 夏秋
 壱貫文  御年頭銭 五百文   役人江
 壱貫五百文役人めん


 

飯沼・羽生

   大輪之郷
 八拾貫文 御年貢銭 斗物百六拾俵夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
  ちゃう[縄]を打申候程ニよさへは無御座候
 三貫文  役人面
   花島之郷
 四十貫文 御年貢銭斗物八十俵是ハ夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭  五百文  役人江
 壱貫五百文役人面


 

大輪・花島

   ふるまき(古間木)のかう
 四拾貫文 御年貢銭  斗物八十俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭   五百文  役人江
 壱貫文  役人面 ちゃうを打申候程ニよ
  さへは無御座候是ハ両所にて壱郷也
   蔵持之郷
 卅貫文  御年貢銭  斗物 夏秋に六十俵
 壱貫文  御年頭銭   五百文  役人江
 壱貫五百文役人面
   石毛之郷
 四拾貫文 御年貢銭  斗物夏秋に八拾俵
 壱貫文  御年頭銭   五百文  役人江
 壱貫五百文役人面
   五か之村
 拾貫文  御年貢銭  斗物廿俵是は夏秋ニ
 五百文  御年頭銭   弐百文  役人江
 五百文 役人面是ハ石毛ゑ[枝]た也
  ちゃうを打申候程ニよさへは無御座候
  是ハ三ケ村にて壱郷也(石毛・荒川・五家)
   こっちゃう(国生)
 四拾貫文 御年貢銭 斗物八十俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文   役人江
 壱貫五百文役人面
   ミ名は(皆葉)之郷
 四十貫  御年貢銭 斗物八拾俵 夏秋ニ
 壱貫文  御年頭銭 五百文   役人江
 壱貫五百文役人面是もちゃうを打申候程ニよさへは無御座候是も両村にて壱郷也
   べっふ(別府)の郷
 卅拾貫(ママ)文 御年貢銭 斗物六十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫文  役人面
   ほっと(堀渡)の村
 卅拾貫(ママ)文 御年貢銭 斗物六十俵 夏秋ニ
 七百五十文御年頭銭  三百文  役人江
 壱貫文  役人面是は両所にて壱郷也
  合五百四拾貫文は御年貢銭
  合斗物千八拾俵 是ハ壱斗弐升入但おろし也
  合拾七貫    是も御年頭銭
   大輪之郷
 五十貫文 御ねんく夫銭  拾弐貫文
 百五十俵 夏秋ニ壱貫文 年頭銭
 五百文  役人江五貫ほりの(内脱か)めん
 同三貫  ほりの内(堀之内)めん  弐貫 役人面
   羽生之郷
 廿五貫  御ねんぐ夫銭  六貫文
 七十五俵 斗物夏秋ニほりの内面 三貫文
 五百文  年頭銭壱貫五百文 役人面
  合五貫八百文 役人江年頭銭
  合拾九貫   役人面[免]是拾三ケ村にて六郷也
 御しらべの衆
   畠山六郎殿(6)
   岩城八郎殿(7)
     けんりゃく(建暦)三年きのとのい年拾月七日
      御鎌倉御中居