弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

資料編1(考古編)

新編弘前市史 資料編1(考古編)

第3章 古代

第3節 飛鳥・奈良・平安時代

1.各時代の概観

 この時期は、律令国家による本州北部地域の支配がほぼ完了した時期でもある(ただし、文献上では確認されていない)。
 この時期の集落の様子や文物は、律令支配が直接及んだ東北南部地域ときわめて斉一性の高いものとなっている。
 集落の増加が著しく、しかも県域全体では津軽地方にその傾向が顕著に認められる。集落は丘陵低位面や微高地上に営まれ、周辺の沖積平野を開拓して行ったことがうかがわれる。さらに一集落での住居数も増え、しかも小規模竪穴が増加するなど、集落の構成内容も前代とは異った様相を展開する。
 また土師器においては、前代では東北北部から北海道のほぼ全域を同一文化圏とする特徴を持っていたものが、津軽海峡を境界とし東北北部全域が、東北南部あるいは北陸地方と同様な土器文化圏となる。したがって、北海道はこの時点(9世紀前葉期)で文化的には本州と分断され、独自の文化圏(擦文土器文化)を形成することになる。
 さらに、10世紀初頭においては、官営的色彩の濃い須恵器生産が津軽地方においても開始され(津軽五所川原窯)、その供給は本県全域を中心とし、米代川流域、馬淵川流域、あるいは北海道のほぼ全域にまで拡大する。
 農業生産においては、米の生産に比重を置いたものと見られ、多くの遺跡で米が出土するほか、7~8世紀代に見られた雑穀栽培主体型の山間部集落が極端に減少する。