弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

資料編1(考古編)

新編弘前市史 資料編1(考古編)

第2章 旧石器・縄文・弥生

第2節 縄文時代

6.縄文時代の工芸

 縄文時代前期の福井県三方町鳥浜貝塚では、大小さまざまな木製品が発見され、それらの品々を見ると、前期という古い時代にもかかわらず優れた加工技術を有していたようである。赤色漆塗の櫛をはじめ、ユズリハ・サカキ・ヤブツバキを原材とした石斧の柄、カシ類等の弓・尖(とが)り棒、カヤの小型弓、トチノキを使った盆のような容器(高台部に漆を塗っているものもある)、スギの丸木舟、ケヤキ・ヤマグワ等の櫂(かい)、スギ・ヤマツバキの板材、スギ・カシの棒、ヒノキ・スギの杭のように各種の樹木を利用し製品を作っている。このほかに、縄文時代前期には大麻を材料とした縄がある。この中で、縄について縄文人は、〝糸・紐・縄・綱の区別を熟知し、土器や木器の補修には径2~3mmの糸が使われたり、石斧柄の磨製石斧の固定には紐が使われ…〟住居建築・舟をつなぐもやい綱などとともに、結び目を持つものも検出されたといわれる。また材質は不明だが、編物には、敷物・バスケット(ざる)・漁網に加え、編布の衣服などもその残存遺物から想定されるとしている*131