弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

資料編1(考古編)

新編弘前市史 資料編1(考古編)

第1章 地形と地質

第3節 東北日本弧の古地理

 N1の上限から後期中新世にかけて、日本全域で海退による広域的不整合が形成される。前半のN1a(15~12Ma)には西南日本は陸化し、太平洋岸で酸性岩の貫入と噴出があり、日本海側で宍道褶曲帯など島弧に平行な軸を持つ褶曲とソレアイトの噴出が開始する。また、これに呼応して日本海側の堆積盆が沖合いへと移動する。これは、西南日本が島弧に直交する圧縮応力場であったことを示す。一方、東北日本や北海道東部では、N1bに引き続き火成活動が活発で、その活動域が太平洋側へと拡大する。また、脊梁の西側に沿って酸性岩活動に伴って黒鉱鉱床*14が発生する。なお、このころから気候が次第に冷涼となっていく。
 後半のN2bでは火成活動が縮退し海域が拡大する。台島植物群が姿を消し、冷涼型の耶麻(やま)-塩原動物群*15が出現する。浮遊性有孔虫群も暖流系種が消失し寒流系種に取って代わる。台湾に延びる宍道褶曲帯が一層明瞭となり、島根半島などが陸化して朝鮮半島と日本との間がほとんど閉塞する。
 伊豆-小笠原弧との衝突により関東山地及び周辺地域は隆起を続け、北部フォッサマグナでは堆積盆が浅海化し日本海と太平洋とが分断される。