弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編5(近・現代2)

新編弘前市史 通史編5(近・現代2)

第六章 現代の弘前

第三節 安定成長への転換

一 安定成長への転換と弘前市経済

全国的に三年に一度ずつ事業所の調査が行われ、事業所統計が作成されている。弘前市の事業所統計から、弘前市にかかわる景気動向を知ることができる。まず、昭和五十六年の数値をもとに、それまでの変化を見てみよう。
表42 産業大分類別事業所数の推移(民営)
区分実数構成比 %増減率 %
昭50年53年56年昭50年53年56年50/4753/5056/53
民営総数8,6909,64310,388100.0100.0100.010.811.07.7
建設業5606517386.46.87.112.216.313.4
製造業5756286226.66.56.00.59.2-1.0
卸売業小売業4,6305,0995,52553.352.953.26.710.18.4
金融・保険業1331501781.51.61.716.712.818.7
不動産業5336406526.16.66.390.420.11.9
運輸・通信1221381381.41.41.311.913.10.0
サービス業2,1122,3132,50724.324.024.111.19.58.4
その他2524280.30.20.3-10.7-4.016.7
弘前市市長公室『弘前市の事業所』昭和56年

表43 産業大分類別従事者数の推移(民営)
区分実数構成比 %増減率 %
昭50年53年56年昭50年53年56年50/4753/5056/53
民営総数52,22458,99462,755100.0 100.0 100.08.413.06.4
建設業6,0747,7767,35211.613.211.72.928.0-5.5
製造業7,1237,9277,93813.613.412.62.711.30.1
卸売業小売業21,29624,47526,17240.841.541.76.614.96.9
金融・保険業2,0142,0752,5483.93.54.10.83.022.8
不動産業7659481,2411.51.62.054.523.930.9
運輸・通信2,8733,2014,0075.55.46.48.911.425.2
サービス業11,74212,23213,01122.520.720.725.04.26.4
その他3373604860.60.60.84.76.835.0

 昭和五十六年七月一日現在の市内の民営事業所数は一万三八八で、昭和五十三年調査に比べ七四五事業所(七・七%)増加し、同じく従業者数は六万二七五五人となり、三七六一人(六・四%)増加した。増加数の大きい業種を産業大分類別に見ると、事業所数では卸売業小売業の四二六(八・四%)増、建設業の八七(一三・四%)増が大きく、従業者数では卸売・小売業の一六九七人(六・九%)増、運輸・通信業の八〇六人(二五・二%)増、サービス業の七七九人(六・四%)増、金融・保険業の四七三人(二二・八%)増の順となる。減少したのは製造業が事業所で一・〇%、建設業が従業者数で五・五%であった。
 また、構成比を見ると、事業所数では卸売・小売業が五三・二%と過半数を占め、次いでサービス業が二四・〇%で、この両者で民営事業所総数の四分の三以上を占めている。以下は建設業の七・一%、不動産業の六・三%、製造業の六・〇%と続く。従業者数では卸売・小売業の四一・七%、サービス業の二〇・七%、製造業の一一・七%の順で大きい割合を占めている(前掲『弘前市の事業所』昭和五十六年)。
 次に、昭和六十一年(一九八六)までの変化を見ると、昭和六十一年七月一日現在の事業所数(公務を含む)は、一万六一一で、前回調査の昭和五十六年に比べて一八事業所(〇・二%)減少し、同じく従業者数は七万一七五九人となり八七三人(一・二%)の減少となっている。事業所及び従業者数は、昭和五十六年までは着実な増加を続けていたが、昭和六十一年調査で減少となった。
 事業所数を産業大分類別に見ると、卸売・小売業飲食店が五四二九で全事業所数に占める割合は五二・四%と最も高く、次いでサービス業が二六四四(二五・五%)となっており、この二産業で七七・九%を占めている。
 このほか、不動産業が六五六(六・三%)、建設業が六四八(六・三%)、製造業が六一四(五・九%)、金融・保険業が二〇七(二・〇%)と続いている。
 一方、従業者数について見ると、卸売・小売業飲食店が二万四一〇六人で全体の三八・五%を占め最も高い割合となっている。しかし、事業所数の占める割合五二・四%に比べると低い値となっている。
 次いで、サービス業が一万五〇五四人(二四・〇%)、製造業が八五二一人(一三・六%)、建設業が六二七七人(一〇・〇%)、運輸・通信業が四六四七人(七・四%)、金融・保険業が二五四九人(四・一%)などとなっている。
 前回との増減数を見ると、事業所数が増えたのは、サービス業の一二九、金融・保険業の二九など五産業で、逆に滅ったのは卸売・小売業飲食店の九三、建設業の九〇が大きい。
 一方、従業者数が増えたのはサービス業の二〇一九人運輸・通信業の六四二人、製造業の五七二人となっており、減ったのは卸売・小売業飲食店の一九九一人、建設業の一〇七五人などとなっている。
 なお、製造業は事業所数が一二減っているものの、従業者数では五七二人の増加となっている(同前、昭和六十一年)。
 平成三年の調査結果について見れば、同年七月一日現在の事業所数(公務を含む)、は一万二二四で、昭和六十一年に比べて三八七事業所(三・六%)減少した。また、従業者数は七万六八三四人となり、逆に五〇七五人(七・一%)の増加となっている。
 事業所数は前回に続いての減少となっているが、従業者数は増加に転じた。また、公務(国・公共企業体及び地方公共団体の事業所)を除いた民営事業所数はちょうど一万、従業者数は六万八一八七人となり、前回に比べて事業所数で三六五(三・五%)減少しているが、従業者数では五五七八人(八・九%)増加している。
事業所数を産業大分類別に見ると、卸売・小売業飲食店が五一一二事業所となってとなっており、全事業所数の五一・一%を占め、次いでサービス業の二六八五事業所(二六・九%)となり、この二産業で約八割になっている。
 その他では、不動産業が六一七事業所(六・二%)、製造業が六一三(六・一%)、建設業六〇四(六・〇%)、金融・保険業一九四(一・九%)等と続いている。
 一方、従業者数について見ると、卸売・小売業飲食店が二万六〇二九人となっており、全体の三八・二%を占め最も高い割合になっており、次いで、サービス業が一万七三六八人(二五・五%)、製造業が一万六八八人(一五・七%)、建設業五八二四人(八・五%)、運輸・通信業が四三二三人(六・三%)等となっている。
 昭和六十一年との増減数を見ると、事業所数が増えたのは、サービス業の四一、運輸・通信業一〇の二産業だけで、減ったのは、卸売・小売業飲食店の三一七、建設業四四、不動産業三九等七産業と多くなっている。
 一方、従業者数が増えたのは、サービス業の二三一四人、製造業の二一六七人、卸売・小売業飲食店一九二三人の増加となっており、減ったのは、建設業の四五三人、運輸・通信業三二四人、金融・保険業一四五人の減少である。
 なお、製造業、不動産業は、事業所数でそれぞれ一事業所、三九事業所減っているが、従業者数はそれぞれ二一六七人、八三人増えている。逆に運輸・通信業は、事業所数が一〇増えているが、従業者数は三二四人減った(同前、平成三年)。
表44 産業大分類別事業所数及び従業者数(平成3年)
(単位:所、人、%)
産業大分類事業所数従業者数
実数構成比対61年増減実数構成比対61年増減
実数実数
民営総数10,000100.0△3563.568,187100.05,5788.9
      
第1次産業110.1△1△8.31560.23731.1
農業110.1△1△8.31560.23731.1
林業--------
漁業--------
      
第2次産業1,22312.2△46△3.616,60824.41,70411.4
鉱業60.1△1△14.3960.1△10△9.4
建設業6046.0△44△6.85,8248.5△453△7.2
製造業6136.1△1△0.210,68815.72,16725.4
      
第3次産業8,76687.7△318△3.551,42375.43,8378.1
電気・ガス・熱供給・水道20.0-0.01770.3△14△7.3
運輸・通信1561.6106.84,3236.3△324△7.0
卸売・小売業飲食店5,11251.1△317△5.826,02938.21,9238.0
金融・保険業1941.9△13△6.32,4043.5△145△5.7
不動産業6176.2△39△5.91,1221.6838.0
サービス業2,68526.9411.617,36825.52,31415.4
弘前市『弘前市の事業所』平成3年

 このように、昭和五十三年以降の弘前市経済は、一進一退を繰り返しているが、石油ショック以後の動向を全体的に見ると、昭和五十六年まで事業所数、従業者数ともに比較的順調に上昇し、以後平成期にかけて上昇が止まったことがわかる。