弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編5(近・現代2)

新編弘前市史 通史編5(近・現代2)

第四章 戦前・戦中の弘前

第五節 戦時教育の様相

一 昭和初期の初等教育

 秩父宮雍仁(やすひと)親王殿下には陸軍歩兵少佐に御昇任と同時に、弘前歩兵第三一連隊大隊長として弘前に御着任された。殿下が妃殿下とともに弘前駅に御到着になったのは昭和十年八月十日午前八時五十二分、直ちに紺屋町の御仮邸(菊池長之別邸、現明の星幼稚園敷地)に入られた。市内各小学校では全校児童が駅前に整列し、各校校長は駅構内に出向いて奉迎した。また、津軽義孝伯爵は旧藩主子孫として弘前においでになり、駅頭において宮殿下をお迎え申し上げた。八月十九日、市内奏任待遇校長たち八人は秩父宮家へ参上、御機嫌を奉伺して記帳した。同月二十四日弘前市公会堂において、本市在住の宮中席次を有する者に対して列立賜謁があり、奏任待遇校長たちは参列の光栄に浴した。
 秩父宮殿下は、御軍務御多忙の中をお暇をみては学校の視察をなし、それは弘前市内にとどまらず県下全般にわたられ、本県教育の向上に大きく寄与された。宮両殿下の弘前御滞在は一年四ヵ月にわたられたが、十一年十二月七日午前九時四十分、御退去された。この日も弘前市内各校の生徒児童は全員、沿道に整列して両殿下を奉送申し上げた。

写真53 秩父宮御夫妻御出席の小学校児童唱歌遊戯の会