弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(古代・中世)

新編弘前市史 通史編1(古代・中世)

第4章 中世前期

第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽

五 御内人の世界

曽我氏は姻戚関係を通じて高麗氏からも所領を伝領した。泰夫人慈照の母蓮阿は高麗景実の女子で、宝治二年(一二四八)に武蔵国高麗郡東平沢の内を景実から譲渡された(新渡戸文書)。いつのころかそれが慈照へと譲渡され、その死後、慈照の子頼が伝領しようとしたらしいが、正慶二年(一三三三)三月には相論の地になっていたことが知られる(斎藤文書、遠野南部家文書)。
 このように姻戚関係を通じて得た所領は、いずれも相論の対象になりやすく、確実に曽我氏に伝領されていったことがわかるのは、津軽平賀郡の沼楯村程度である。