弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

年表

津軽地方の気象特性と災害

二 津軽の四季と災害

三月中頃になると、シベリア高気圧が後退し、日本の南岸コースを通っていた低気圧が日本海を通るようになる。この低気圧に向かって吹く暖かい南風が日増しに多くなり、気温の上がり方が大きくなってくる。日も長くなったこのころ、雨が降ると雪解けが急速に進み、大きな洪水が発生することがある。四月になると、平地の積雪の多い地方でも雪がすっかり消え、下旬にはが咲き始める。四月から五月にかけては、移動性高気圧と低気圧が交互に現われて、周期的に天気が変わる。このころに、日本海で急激に発達する低気圧があって、突風を伴った南よりの乾いた強風が吹くことになる。それにこの季節は、年間で最も降水量が少なく、空気が非常に乾燥し火災が多く発生する。年間発生数の八〇パーセントがこの時期に発生している。火災は最小湿度が四〇パーセント以下、木材の乾燥度を加味した実効湿度が六五パーセント以下になると発生件数が急増してくる。林野火災は、晴天日に気温が上がり、最小湿度が低いほど発現が高い。
 遅霜の被害は、ほぼ五月中旬ごろまでで終わる。地上一・五メートルで測る気温がおおむね二℃以下になると、地表気温が〇℃以下になって霜が降りる。気温が氷点下一℃以下になると強い霜となって被害面積や規模が大きくなる。水田地帯より保温性がある畑作地帯・高地では冷え込みが大きいため霜害の被害が広がりやすく、霜の終日も遅れる。