弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第2章 津軽の原始時代

第三節 縄文時代

三 亀ヶ岡土器文化の発展

 縄文時代の最後を飾る晩期は、今を去る三〇〇〇年から二三〇〇年前にかけて栄え、しかもその有する内容はきわめて華麗な様相を示し、さきの中期が豪壮かつ男性的な美しさを誇るのに対して、女性的で繊細な美しさを感じさせる。木造町亀ヶ岡(かめがおか)遺跡をはじめ、八戸市是川中居(これかわなかい)遺跡など、晩期を代表する遺跡では、人々に驚嘆を与えるほどのすばらしい品々が製作され使用されており、われわれはもとより、世界の先史文化のなかでも突出した内容を築き上げた祖先の英知と努力に敬服のほかはない。
 晩期の土器を俗に亀ヶ岡式土器と称し、その時代に人々が築き上げた品々などを総称して亀ヶ岡文化と呼んでいる。この土器文化は、さきの後期に繁栄した十腰内式土器を母胎にして生まれ、さらに十腰内式土器をしのぐほどに成長発展した。なかでも土器器形の多様化と、や赤色塗料の使用量の増大、木製品(現在は用途不明なものもある)の種類の多い状況は、亀ヶ岡土器文化の特色であるとさえ考えられる。このように優れた当該文化は、他の地域に居住する人々にとって羨望(せんぼう)と憧憬(どうけい)の的であったろう。

大洞C1式皿形土器
八戸市・是川中居遺跡
(八戸市
博物館提供)