弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第2章 津軽の原始時代

第二節 旧石器時代

二 青森県の旧石器時代

蟹田町に所在する大平山元(おおだいらやまもと)遺跡はⅠ・Ⅱ・Ⅲの三遺跡に分かれている。昭和五十(一九七五年)から同五十四年まで試掘を含めて五次にわたる調査が青森県立郷土館により実施された。大平山元Ⅰ遺跡は彫刻器・削器・石鏃などのほか、長者久保遺跡と同様な局部磨製石斧に加えて無文(むもん)土器が発見され、大平山元ⅡおよびⅢ遺跡では、石組炉や群ならびに石器製作を示す痕跡があり、なかでもⅢ遺跡は、細石刃(さいせきじん)の石核(せっかく)と扇状の剥片石器が出土している。

大平山元(1)遺跡から出土した彫刻器・削器・石鏃

 なおこの遺跡の特色は、局部磨製石斧と無文土器が共伴すること、大型尖頭器の片側を剥離してスキー状スポールを作り、残りを利用して、細石刃を製作する湧別(ゆうべつ)技法の先駆的な技法がみられることなど、旧石器的な石器製作と土器の共伴により、旧石器文化から縄文文化への移行期における両文化の混在がみられ、研究者の強い関心を集めている(13)。