弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第六節 津軽地域の気候

二 津軽地域気候の要素別特性

(六) 台風

台風が本県に最も近づいた位置と台風に伴う風雨災害との関係は、中心付近が三〇〇キロメートル以上離れると陸上における風雨の被害は少なくなる。太平洋側のコースでは海上は高波などで大荒れになる。日本海側のコースでは強風被害が主体となり、リンゴの収穫の季節には甚大な被害を被る。この際の最大風速は、台風が通過した直後からの返し風(吹き返し)である西寄りの風になっているという観測結果からも、注意が必要である。台風のコースは、大きく分けて三コースある(図60)。

図60 台風コースと災害特性

 Aの日本海側コースは、白神山地で雨量がやや多い。このコースに洞爺丸台風や平成三年(一九九一)の台風一九号などがあって、風害が甚大であることから風台風と呼ぶことがある。
 Bの太平洋コースは、八甲田山系の東斜面中心に雨量が多くなり、大雨被害が発生する。太平洋側の海上、海峡や陸奥湾内では大しけになる。このコースによる雨量分布は南岸低気圧が発達する場合も同じである。
 Cの縦断コースは、県下全域で雨量が多くなり、特にコース上の地域は多雨域になっている。この場合は暴風雨の最悪コースで、人的被害はもちろん建物などの被害も発生する。台風前面の東寄りの風も、通過後の吹き返しの西寄りの風もどちらも強いが、最大風速は西寄りの風で現われることが多い。縦走した台風に昭和五十六年(一九八一)の台風一五号がある。