弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第六節 津軽地域の気候

二 津軽地域気候の要素別特性

(六) 台風

本県に直接的に影響する台風は、年間平均一~二回と少なく、本県周辺に接近しない年もある。しかし、気象災害を考えるとき、来襲時期、台風規模などからどうしても台風の影響を考慮しないわけにはいかない。台風の発生数は一九六〇年代半ばまでは増加したが、その後は減少した。一九九〇年代になって平年並みの発生数・上陸数である。平均の台風発生数は二八個、日本への上陸数(台風の中心が北海道、本州、四国、九州の四つの島のいずれかに達した時を上陸という)三個、東北地方への接近(規模が大きいので地域が広がる)は二個であるが、本県にとっては一~二個である。
 台風の季節は九月であるが、八月の方が発生数・上陸数ともに多い。一年の上陸数の平均は三個と少ない。また、全体の三分の一は九州に上陸していて、この時点で東に向きを変え一般に速度が速くなる。東北地方へ接近する台風は、おもに最盛期と衰弱期のものである。台風は北上し東に向きを変えるころには、次第に温帯低気圧化して前線を伴うようになる。中心気圧は浅くなり、中心付近の最大風速も次第に弱まるが、逆に強い風の範囲(暴風域-風速二五メートル/秒以上、強風域-風速一五メートル/秒以上)は広がるのが普通である。
 元来、台風のエネルギー源は、水蒸気が凝結する時に発生する熱である。したがって、台風の発生する場所は、水蒸気が豊富に得られる海域になる。海水温が高いと、それに接する大気は高温・多湿となるため、台風は海水温が高い低緯度で発達し、海水温が低く水蒸気量が十分でない高緯度では衰弱する。また、陸地では水蒸気が少ないことに加えて地表摩擦が増大することから、台風は上陸すると急速に衰弱する。