弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第六節 津軽地域の気候

二 津軽地域気候の要素別特性

(五) ヤマセと日照障害

霧などの侵入経路で、ヤマセの風向性が問題になることがある。強いヤマセ日における地上風の最多風向分布(図59)をみると、地形の影響を受けて吹いている様子がわかる。太平洋側から内陸または陸奥湾に流入したヤマセは、ちょうど八甲田山系を迂回して吹いている模様が流線から明瞭である。このことからヤマセの風向は、北東であったり東であったり、風の南成分が入る南東風の場合もあって、場所によって異なることを示している。もちろん、オホーツク海高気圧の位置、張り出し方および風の強さに関係する。津軽平野に流入するヤマセ経路は、太平洋側から陸奥湾を経て青森湾から、北東風で入るのが主流と思われる。長い行程で津軽平野に流入したヤマセは、変質しながら周辺の地形で曲折し、岩木山を迂回して西海岸方面に吹き抜ける。

図59 ヤマセの県内風配図と風の流れ

 冷気流であるヤマセの高さは、七〇〇~八〇〇メートル(ヤマセが弱い)から一〇〇〇~一五〇〇メートル(ヤマセが強い)で三〇〇〇メートル以下が多い。この模様は天気境界でもある八甲田山にかかる霧や層雲の厚さから、強弱の始終を含めて青森市側から望見できる。