弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第四節 平野の地下地質

三 深部の地質

津軽平野南部の深度四〇〇メートルから一〇〇〇メートルに分布する地質は、掘さく深度、透水性、泉質および地下水系の検討結果から、以下のように要約される。
① 津軽平野南部地域の深部地質は、津軽平野中央断層(仮称)を境に東西で異なった岩相層序からなる。

② 津軽平野中央断層の東側の地質系統は、温泉水を含む地下水系を強く反映したものである。

③ 津軽平野中央断層の東側は、平賀町から黒石市の丘陵・山地に分布する新第三系中新統の板留層と温湯層相当層、ならびに、鮮新世の尾開山凝灰岩相当層からなる。これらの各層は、平賀町付近では北西から北方に、田舎館村付近では東方に、そして浪岡町付近では南西から南方に傾斜する。

④ 津軽平野中央断層の西側は、おもに弘前市南部の山地に分布する新第三系中新統の大和沢層松木平層大秋層相当層で構成されている。また、これらの各層は北に傾斜している。なお、一部地域で新第三系中新統中下部層の砂子瀬層までの削入を示唆するボーリング資料があるが、地質時代の確定にはいたっていない。

⑤ 東西の地質系統の大きな違いは、西側の地質系統中に尾開山凝灰岩に相当する軽石凝灰岩が認められないことである。今後、地質層序の作成に使用した二つの文献と、ボーリング資料の再吟味が必要である。

⑥ 弘前市南西部の丘陵・山地に分布し、松木平層の部層と考えられている相馬安山岩類に対比される地層は、弘前市街地下で確認されていない。地表で確認されている分布域に、その範囲がほぼ限定されるのか、あるいは、断層により切られるのか今後究明する必要がある。