弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第二節 岩木火山発達史

四 岩木火山発達史

さて、山口(一九九八)は、塩原・岩木山団研(一九八〇)の見解をもとに、噴出物の年代測定を実施して岩木火山の形成過程の解明に努めた(表2)。図12はパソコンによるブロックダイヤグラムで岩木火山の発達史を想定したものであるが(成田、一九八六)、基本的には塩原・岩木山団研(一九八〇)および成田(一九八九)の想定する形成過程と同じである。ただ具体的な噴火活動を考えると、古岩木火山が形成された後に水蒸気爆発が起こり、岩屑なだれが発生して馬蹄形のカルデラが形成され(図12の①)、カルデラ内で噴火活動が再開して新岩木火山が誕生し(同②)、そして山頂部において中央火口丘を形成する噴火活動が起こった(同③)、と考えられる。
表2 K-Ar法による年代測定値(蒜山地質年代学研究所による)
採集地点試料年代測定地(Ma:百万年前)
赤倉沢谷底(標高900m)安山岩0.19±0.10Ma0.18±0.08Ma
岩鬼山(標高1,300m)安山岩0.21±0.03Ma0.21±0.04Ma
赤倉沢谷壁(標高1,200m)安山岩0.24±0.03Ma0.26±0.03Ma
巌鬼山神社500m南の採石場安山岩0.26±0.03Ma0.26±0.03Ma
新法師南方の兼平石採掘廃坑跡安山岩0.34±0.03Ma0.32±0.03Ma


図12 岩木火山の発達過程の想定(成田,1989に加筆)