弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第二節 岩木火山発達史

三 地形分類

写真12は、岳~百沢間の地蔵茶屋付近、写真13は岩木山百沢スキー場での露頭写真である。土石流によって供給された砂礫層が表層直下とローム層を基本とする岳層上部にも包含されている。いずれも厚さが約一メートルである。岩木町立総合運動公園付近を流れる柴柄沢川および平沢川流域でも確認でき、径一〇〇センチメートル以上もある巨が密集して扇状地内を流れる谷地形を埋積している。なお百沢土石流の際、南~南東麓に位置するほとんどの放射谷、すなわち柴柄沢・平沢・毒蛇沢・蔵助沢・後長根沢などでも土石流が発生している。このように、南麓では松代面あるいは古期火山麓扇状地面である弥生面土石流などで供給された扇状地性の堆積物で覆われ、百沢面として展開しているものと考えられる。百沢面は、おおむね岳東方を流れる湯ノ沢から毒蛇沢にかけて分布している。ただ、扇端部の根ノ山付近は枯木平地区と同様に火山麓斜面とは逆傾斜の微傾斜面であって、岩屑なだれ堆積面(松代面)として展開している。両面の境界部にあたる津軽カントリーゴルフ場付近は、現在湿地性の環境を示している。

写真12 地蔵茶屋付近の土石流堆積物。地表直下とローム層中にが層状に含まれる。


写真13 岩木山百沢スキー場での土石流堆積物。ローム中に3枚の砂礫層が認められる。