弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)

新編弘前市史 通史編1(自然・原始)

第1章 津軽の自然

第二節 岩木火山発達史

三 地形分類

大鳴沢および赤倉沢流域には、標高五〇〇~六〇〇メートル付近を扇頂部とする火山麓扇状地が展開し、面上には鯵ヶ沢スキー場が位置している(口絵)。扇端部の高度は一五〇~二〇〇メートルであって、鯵ヶ沢町長平が位置している。この扇状地面を弥生面と呼称し、南麓に展開する新期火山麓扇状地よりも古い扇状地として区分した。鈴木(一九七二)の、東半部に展開する火山麓扇状地に相当する。弥生面は北麓の徳明川から東麓の弥生地区まで弧状に分布し、西麓の岩屑なだれ堆積面よりも緩傾斜であり、かつ平滑な面である。砂など扇状地性の堆積物岩屑なだれ堆積物を覆い、さらに上位には岳層上部(洞爺火山灰(5)より上位のローム層)が堆積している。扇状地性の堆積物は、上部が亜角~亜円(6)の巨を含むローム質粘土であり、下部には薄い粘土層を挟み亜円を含む淘汰(とうた)不良の砂層が堆積している。弥生面を浸食する各放射谷の流域には帯状の新期の山麓扇状地が存在するが、分布が狭く土石流(7)などで供給された砂で埋積されているので図化していない。扇端部の外側には岩屑なだれ堆積面が分布するが、この堆積面は下刻作用により起伏の大きい丘陵となっている。