弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍

通史編1(自然・原始)
写真10に示す西麓は緩やかな傾斜面をなし、角凝灰岩など古岩木火山の構成層を覆う岩屑なだれ堆積面であって、松代面と呼称する。岩屑なだれ堆積物古岩木火山の「磐梯(ばんだい)式噴火(4)」による山体崩壊で供給されたものである。松代面は図9に示したように、おおむね北麓を流れる徳明川から南麓の湯ノ沢にかけて分布し、面上には鯵ヶ沢町松代地区、岩木町岳および枯木平(かれきたい)などが位置している。面上を流れる赤沢白沢そして徳明川などは五〇メートル以上の深いV字状の谷をなしている。また、扇端部に位置する枯木平も松代面であって、火山麓斜面の傾斜方向とは逆の北東方への微傾斜面ないしは平坦面となっている。この付近を流れる湯段沢川に合流する黒沢も深いV字状の谷をなしている。ただ、岳南西方の常盤野(ときわの)地区は後述の百沢面に相当し、一部に湿地帯が認められ扇状地性の低地となっている。鈴木(一九七二)によると、北麓の長平(ながだい)と南麓の森山を結ぶ線を境として西半部を古岩木火山の火山原面と考えている。

写真10 第二松代にみられる岩屑なだれ堆積面と深いV字状の白沢