北広島市/デジタル郷土資料

北広島遺産ハンドブック 自然遺産

2.北広島の自然遺産


 特別天然記念物野幌原始林を含む森林にに隣接している市民の憩いの場・学びの森です。国有林の一部を市が借り受け、整備を進めて昭和56年に一般開放されました。整備にあたっては樹木の伐採や地形の改変をほとんど行わず、森林浴、自然観察、野外レク、歩くスキーなど市民の憩いの場として利用されています。
 

林間学園の様子
 
 かつてはトドマツが多い豊かな森でしたが、戦中戦後の伐採や台風等で多くの木が失われました。今では大部分が針葉樹(主にトドマツ)の人工造林とミズナラ・コナラ・ウダイカンバ等からなる落葉広葉樹の二次林です。しかし、深い沢とその周辺にはシナノキやカツラ等の広葉樹の大木が見られます。
 

秋には様々な色の紅葉で埋め尽くされる
 
 施設内には、豊かな自然の中で森林浴を満喫できる1周約4kmの散策路、研修棟・野外炉場のある「林間学園」、起伏に富む地形にアスレチックを配置した「冒険の森」があります。
 

 
※二次林
 自然林とは異なり、伐採や災害によって破壊された後、自然に、または人為的に再生した森林のことをいいます。
 
北海道の代表的な針葉樹3種 観察ポイント
 亜寒帯に属する北海道の代表的な針葉樹に、トドマツ・エゾマツ・アカエゾマツがあります。この3種は遠目だと見分け難いですが、観察ポイントをおさえればどのマツかわかります。
 
スタート! 樹皮はどうかな?
まつぼっくりはどうやってついている?
葉っぱの形は?
葉っぱの形は?
トドマツ マツ科モミ属
日本では北海道のみ、亜寒帯に分布します。
適度に水分のある肥沃な土地を好み、針広混交林を形成します。北海道で冬の訪れを告げる虫として慕われているユキムシ(トドノネオオワタムシ)は、このトドマツの根で夏を過ごします。
エゾマツ マツ科トウヒ属
「北海道の木」別名クロエゾマツといいます。
霜・乾燥・湿潤に弱いため、植林や街路では見かけませんが、山地では多く自生しています。
アカエゾマツ マツ科トウヒ属
エゾマツより樹皮が少し赤く、湿地や火山灰土などの条件の厳しい場所でも育ちます。
最終氷期の生き残りといわれ、現在では主に北海道に分布しています。

 
丘陵地の落葉広葉樹たち
 里に近い丘陵地の森は、人間の暮らしと共にあり場所によって森の履歴は様々です。
 
ミズナラ
ミズナラ
ブナ科
一見カシワの木に似ているが葉の裏に毛がない。ふちに大きなギザギザがある。
 
コナラ
コナラ
ブナ科
ミズナラと似ているが1cmの葉柄がある。ドングリ帽子は浅い杯状。
 
シナノキ
シナノキ
シナノキ科・日本固有種
長野の古名信濃の語源になった木。先が急にとがりふちに鋭いギザギザがある。
ウダイカンバ
ウダイカンバ
カバノキ科
シラカンバとよく似ていて見分けが難しい。肥沃な場所を好む。
 
シラカンバ(シラカバ)
シラカンバ(シラカバ)
カバノキ科
日当たりの良い場所を好む。北海道では山地だけでなく、林道の道脇や街路樹にもよく見られる。
 
カツラ
カツラ
カツラ科
葉は円心のハート型。2枚の葉が向かい合ってつく。秋には綺麗に黄葉する。
 
ハリギリ(センノキ)
ハリギリ(センノキ)
ウコギ科
葉は手のひら上で大きく、ふちにギザギザがある。枝には先が鋭くとがった太い針がある。
 
ホオノキ
ホオノキ
モクレン科
葉は30cmほど大きく、枝先に集まってつきます。落ち葉で朴葉味噌が楽しめます。
 
キタコブシ
キタコブシ
モクレン科
北国の里に春を告げる。新緑になる前に樹上に白い花を咲かせる。
 
ナナカマド
ナナカマド
バラ科
小さく細い葉が向き合ってつく。秋には紅葉し小さな赤い実がつく。
 
ノリウツギ
ノリウツギ
ユキノシタ科
低木。アジサイのような白い飾り花をつける。葉はふちに細いギザギザがある。
 
ツタウルシ
ツタウルシ
ウルシ科 つる性
3枚の小葉でひとつの葉をつくる。触れるとかぶれる場合もあり注意。
 
サルナシ
サルナシ
マタタビ科 つる性
秋には小さなキウイフルーツのような実がつく。葉先がとがりふちはギザギザ。
 
ヤマブドウ
ヤマブドウ
ブドウ科 つる性
3つに浅く裂けた葉。裏に毛があり、表は葉脈がくぼむ。黒紫の実をつける。
 
ツルアジサイ
ツルアジサイ
ユキノシタ科 つる性
白い飾り花をつける。葉のギザギザはまばらで浅い。
 
北海道には常緑広葉樹はないの?
 北海道ではタブノキやシイノキなどの常緑広葉樹・照葉樹(冬も緑の葉をつけている樹)は自生していません。それはなぜでしょう?
 植物は、根から水を吸収し、葉(葉緑素)で光合成をしながら、成長するために必要な栄養素と酸素を自分で作りだしています。寒冷地である北海道では、長い冬の間氷点下まで気温が下がるため、樹はできる限り呼吸をせず、できる限り水分消費を抑えるために葉を落して言わば冬眠のような状態になります。落葉広葉樹は、厳しい環境で生きのびていくために順応した姿なのです。
 
林床の植物たち
 足元にも様々な植物が生育しています。林床(地表面)を調べるとその土地の自然条件がわかります。北海道では、多雪・積雪に順応した植物がみられます。また、実生(高木の赤ちゃん)があれば世代交代の状態がわかります。樹上だけでなくちょっと目線を下げて、小さな植物も観察してみてください。
 
チシマザサ
チシマザサ
イネ科 別名ネマガリダケ
ササの仲間では一番北に分布する。ササの高さをみると、その場所の冬の積雪がわかると言われている。
 
エゾユズリハ
エゾユズリハ
ユズリハ科
枝はしなり折れにくい。多雪地に順応した常緑樹。
 
ハイイヌガヤ
ハイイヌガヤ
イヌガヤ科
低木の常緑針葉樹。多雪に順応するため地を這うように幹が変形している。