函館市 函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 下

第一七編 漁村の生活 第二章 伝説 第一節 伝説 義経伝説 

豊崎の二本柳旅館の傍に紅葉川と呼ばれる流れがある。
 むかしこの流れの岸辺にチサンケというアイヌが住んでいた。ある年、疱瘡が流行したとき、不幸にもチサンケが真先に疱瘡に罹(かか)ってしまった。
 アイヌ達は疱瘡の神さまは赤い頭巾を被(かぶ)らせて祀るとよいと信じていたので、チサンケにも赤い頭巾を被らせ、赤い着物を着せてこの川の川上の洞窟にチサンケを押し籠めておいた。何日かして行ってみると、チサンケは病いのためか、飢えたのか死んでいたという。そのことがあってから、この川をチサンケ川と呼ぶようになったという。昭和一六年、臼尻村の字名改正で豊崎に改められるまで、この川の周辺と川上の沢に、字チサンケ、字チサンケ沢という地名もあった。