函館市 函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 下

第七編 産業 第四章 商工業 第一節 商工業 明治の商業 

明治一六年、東部監軍部長陸軍中将三好重臣の委託による村々の「戸口及諸物品調」の命令があり、各村戸長よりそれぞれ有高や物品の態様を報告している。この記録は、北海道立文書館に所蔵されている。次に尾札部臼尻・熊の三か村の戸口・諸物品を一覧して次に掲げる。
 米の産地は記していないが、清酒は越後、味噌は青森、塩は讃岐などと記されている。
 
 尾札部臼尻(小計)
人口一、五九二人六八七人三六二人(二、六四一人)
戸数二四四戸一二四戸六四戸  (九七二戸)
畳数二、四四〇丁九九二丁五一二丁(二、九四四丁)
  米四三六石輸入八五〇石五五石(一、三四一石)
 (一石 七円五〇銭) (一石一〇円) (同 上) 
清酒三〇〇石越後地方〓一二〇石五五石 (四七・二石)
 (一升 三六銭)(一升四〇銭) (同 上) 
醤油六石二斗 〃三〇石六石五斗 
 (一升 三六銭) (三六銭) (同 上) 
    
味噌七石八斗青森地方〓六五石二〇石 
 (一貫 二五銭) (三五銭) (同 上) 
    
  塩六七〇石讃岐地方〓七五石 
 (一升 三銭) (一升 四銭) (同 上) 
    
漬物・魚類三四六石三斗三升昆布三三〇石一一二石八斗 
海草・野菜一三八五三〆二一三ニ○○貫四、五一二貫 
秣・薪炭(五一、九四九・五キログラム) (四九、五〇〇キログラム)(一六、九二〇キログラム) 
竹木・荷車   
    
船数五八四船持符 五〇持符 二四(八九九艘)
  磯船一三八磯船一〇三 
   (一八八) (二一七) 
    
駄馬 四五頭三七頭三四頭(一〇六頭)
   一里八銭  
    
人夫一六九人 一三三人五〇人(三五二名)
 (一日 五〇銭) (同 上) (同 上) 
    
旅 籠 料上等五〇銭・中等四〇銭・下等三〇銭 (同 上) (同 上) 
    
    
隣駅椴法花へ四里村ヘ一里鹿部村へ四里半 
 臼尻へ二里余   

 
    明治一六年
    戸口及諸物品調 第壱 兵事課                        (北海道所蔵)
 本調書ハ本年東部監軍部長陸軍中将三好重臣ノ依託ヲ以テ調査スルモノニテ其理由ハ官省往復書類ニ審地
     函館縣茅部尾札部人口及諸物品調査書
一 人口及戸数畳敷
   戸数、貳百四拾四戸
   畳二千四百四拾畳
   人口 千五百九拾貳名内男 八百六拾八名
              女 七百貳拾四名
一 米麦豆(大・小)収入高及輸出入高
   米四百三拾六石  大豆三拾九石貳斗
   麦無之     小豆弐拾石壱斗
一 精米精麦玄米豆壱石ノ價
   精米 壱石ニ付金八円 玄米 壱石ニ付金七円
   五拾銭
   精麦無之       豆 壱石ニ付金七円四
   拾銭
一 清酒製造高及輸出入高並壱升ノ價
   清酒製造無之多クハ越後地方ヨリ輸入ス
   其高三百石 壱升ニ付金三拾六銭
一 醬油
   醬油製造無之多クハ越後地方ヨリ輸入ス
   其高六石貳斗 壱升ニ付金三拾六銭
一 味噌
   味噌ハ名々ノ宅ニテ製造シト雖モ供給ニ不足、
   多クハ青森地方ヨリ輸入ス。
   其高七石八斗 壱〆目ニ付金弐拾五銭
一 塩
   塩製造無之多クハ讃岐地方ヨリ輸入ス
   其高六百七拾石 壱升ニ付金三銭
一 漬物多寡
   漬物寡クシテ僅カニ供給ニ足ルノミ
一 魚類
   多シ 鮭鮪鱈鮊鯡某他雑魚
   絞粕其三千八百拾九石八斗
一 海草多寡
   多シ 昆布打海苔布海苔ニシテ
   其高三百四拾六石三斗三升
一 野菜
   寡シ 茄子大角豆蕪胡瓜ノ類ニテ僅ニ供給ニ足
   ルノミ
一 秣及藁
   秣寡シ 僅カニ供給ニ足ルノミ
   藁無之
一 薪炭
   薪自家ノ用ニ供スルノミ
   炭ハ寡クシテ供給ニ足ルノミ
一 竹木
   竹ハ無之 木ハ多シト雖モ自家ノ用ニ足ルノミ
一 人力車数及壱里ノ賃金
   無之
一 荷車数
   無之
一 船数
   五百八拾四艘
一 筆墨紙木綿類製造
   無之
一 駄馬数及壱里ノ賃金
   駄馬四拾五頭 賃金壱里ニ付拾銭
一 蒸気水車米搗所壱ヶ所臼数及一日精米上リ高
   別ニ米搗ヶ所無之
   名々ノ宅ニテ製造ス
一 人夫数及一日ノ賃金
   人夫 百六十九人
   賃金 一日ニ付五拾銭
一 馬車数及一里ノ賃金
   無之
一 旅籠料上等中等下等
   上等金五拾銭 下等金三拾銭
   中等金四拾銭 昼賄有之
一 貸厩ノ数及一代價
   無之
一 賣牛ノ数及一頭ノ代價ノ見込
   無之
一 屠牛場
   無之
一 官有倉庫数及民有貸倉庫坪数共
   無之
一 隣駅品物運送ノ景況
   東椴法花村ヘ里程四里余ニシテ其路海岸狭瞼故
   風波ノ節ハ人馬通行
   不便ナリ 牛馬平常タリトモ通行スル事不能
   西臼尻ヘ里程弐里余ニシテ人馬通行スル尤便利
   ナリ
右之通候也
           函館縣茅部尾札部
            戸長代理
 明治十六年六月五日     小笠原 長  印
 
     函館縣茅部臼尻人口及諸物品調査書
  人口戸数及畳数
一 人口  六百八拾七人  内 男 三百七拾九人
                女 三百八人
一 戸数  百弐拾四戸
一 畳数  九百九十二畳
  米麦豆(大・小)収入高及輸入高
一 米   八百五拾石  輸入  但 収入ナシ
一 麦   ナシ
一 大豆  三拾四石三斗五升 収入 但 輸出ナシ
一 小豆  拾壱石七斗壱升八合同上 但 同上
  精米精麦玄米豆壱石ノ價
一 精米  壱石ノ價        金拾円
一 精麦  ナシ
一 玄米  壱石ノ價        金八円
一 大豆  壱石ノ價        金七円
一 小豆  壱石ノ價        金七円五拾銭
  精酒製造高及輸出入高並壱升ノ價
一 精酒  製造及輸出ナシ
一 仝酒  百弐拾石  輸入
一 仝酒  壱升ノ價        金四拾銭
一 醬油  三拾石     同上  但製造及輸出
                  ナシ
一 仝油  壱升ノ價        金三拾六銭
一 味噌  六拾五石    同上  但同上
一 仝   壱〆目ノ價       金三拾五銭
一 塩   四百五拾石   同上  但同上
一 仝   壱升ノ價        金四銭
  漬物多寡
一 漬物  ナシ
  魚類多寡及輸出入高
一 乾鱈  百七拾三石   輸出高
一 塩鱈  拾五石五斗   同上
一 生鮪  七拾九石    同上
一 塩鮪  七百三拾九石七斗同上
一 生鮭  八拾九石七斗六升六合同上
一 鰯粕  拾八石     同
  海
草多寡及輸出入高
一 昆布  三百三拾石   輸出品
  野菜類多寡
一 野菜ナシ
  秣及藁多寡並壱〆目ノ價
一 秣   四千八百六拾貫目 収入高
一 仝   壱〆目ノ價    金五厘
一 藁   ナシ
  薪炭多寡及輸出入並壱〆目ノ價
一 薪   五千百五拾貫目  収入高 但輸出ナシ
一 仝   壱〆目ノ價    金弐銭五厘
一 炭   四千百〆目    同上   但同上
一 仝   壱〆目ノ價    金六銭
  竹木多寡及輸出入高
一 竹   ナシ       輸出入ナシ
一 木   ナシ       同上
  人力車数及壱里ノ賃金
一 人力車 ナシ
一 荷車  同上
  魚船多寡
一 魚船  五拾艘      但持符船
一 仝船  百三拾八艘    但磯船
  筆墨紙木綿類製造ナシ
  駄馬数及壱里ノ賃金
一 駄馬  三拾七頭    但壱里ノ賃金 金八銭
  蒸気水車米搗所
一 水車  壱ヶ所     但臼壱組一日精米上リ
              高八斗
  人夫数及一日ノ賃金
一 人夫  百三拾三人   但シ一日ニ付金五拾銭
  馬車数 ナシ
  旅籠料
一 上等  弁当付     金五拾銭
一 中等  同       金四拾銭
一 下等  同       金三拾銭
  貸厩ノ数及一代價  ナシ
  賣牛ノ数及壱頭ノ代價見込
  屠牛場  ナシ
  官有倉庫数及民有貸倉庫  ナシ
  隣駅物品運送ノ景況
一 東ハ尾札部村ヘ二里平地ニシテ多ク駄送シ
一 西ハ熊村へ壱里ニシテ其間坂路危険ナリ駄送並
  ニ船ニテ送リ
右之通候也
     函館縣茅部尾札部村兼臼尻両村
      戸長代理   小笠原  長  印
 明治十六年六月十五日
 
  函館縣茅部人口及諸物品調査書
  人口戸数及畳数
一 人口  三百六拾二人  内 男百九拾八人
                女百六拾四人
一 戸数  六拾四戸
一 畳数  五百拾弐畳
  米麦豆(大・小)収入高及輸出入高
一 米   五百五拾石  輸入  但 収入ナシ
一 麦   ナシ
一 大豆  三石六斗五升 収入  但 輸出ナシ
一 小豆  八斗九升六合 同上   但 同上
  精米精麦玄米壱石ノ價
一 精米  壱石ノ價        金拾円
一 精麦  ナシ
一 玄米  壱石ノ價        金八円
一 大豆  壱石ノ價        金七円
一 小豆  壱石ノ價        金七円五拾銭
  精酒製造高及輸出入高並壱升ノ價
一 精酒  製造及輸出ナシ
一 仝   五拾五石     輸入
一 仝   壱升ノ價        金四拾銭
一 醬油  六石五斗    輸入  但製造及輸出
                      ナシ
一 仝油  壱升ノ價        金三拾六銭
一 味噌  弐拾石     同上  但同上
一 仝   壱〆目ノ價       金三拾五銭
一 塩   七拾五石    同上  但同上
一 仝   壱升ノ價        金四銭
  漬物多寡
一 漬物  ナシ
 魚類多寡及輸出入高
  --   ---   --
一 生鱈  百五拾壱石   輸出
一 乾鮃  三拾三石    同上
一 生鮭  五拾弐石    同上
一 塩鮭  六石七斗    同
  --   ---
  海
草多寡及輸出入高
一 昆布  百拾弐石八斗  輸出品
一 汐干昆布拾七石六斗   同上
  野菜類多寡
一 野菜ナシ
  秣及藁多寡並壱〆目ノ價
  ----------
一 秣         八〆目 収入高
一 仝   壱〆目ノ價     金五厘
一 藁   ナシ
  薪炭多寡及輸出入並壱〆目ノ價
一 薪   千三百貫目    収入高  但 輪出
                      ナシ
一 仝   壱〆目ノ價    金弐銭五厘
一 炭   六百五拾〆目   収入 但輸出ナシ
一 仝   壱〆目ノ價    金六銭
  竹木多寡及輸出入高
一 竹   ナシ
一 木   ナシ
  人力車数及壱里ノ賃金
一 人力車 ナシ
一 荷車  ナシ
  魚船多寡
一 漁船  二拾四艘     但持符船
一 仝船  百〇三艘     但磯船
  筆墨紙木綿類製造ナシ
  駄馬数及壱里ノ賃金
一 駄馬  三拾四頭   但 壱里ノ賃金 金八銭
  蒸気水車米搗所 ナシ
  -- ---
  人夫数及一日ノ賃金
一 人夫  五拾人    但 一日ニ付 金五拾銭
  馬車数 ナシ
  旅籠料
一 上等 弁当付      金五拾銭
一 中等 同        金四拾銭
一 下等 同        金三拾銭
  貸厩ノ数及一代價   ナシ
  賣牛ノ数及壱頭ノ代價見込
  屠牛場 ナシ
  官有倉庫数及民有貸倉庫 ナシ
  隣駅物品運送ノ景況
一 東ハ臼尻村ヘ壱里ニシテ其間坂路アルト雖モ駄送ニ宜ク 然レ共人弁(便)ナルヲ以テ船ニテ送ルモアリ
一 西ハ鹿部村ヘ四里半ニシテ坂路危険ナリト雖モ亦駄送ヲ用ユ然レ共困難ニシテ充分ノ荷ヲ負フ事アタワシ
 右之通候也
       函館縣茅部尾札部村兼臼尻両村
       戸長代理   小笠原  長  印
 明治十六年六月十五日
 
 商品はすべて函館から船積みされて送られた。
 明治三八年、川汲に荷上げされた品々と、その数量を記した川汲代表竹中重蔵の控(竹中文書一六)がある。
 
明治三十八年 自壱月至十二月 川汲輸入貨物調
貨物個数  六千四百参拾個
此運賃   金七百九拾七円五拾九銭                   明治三十八年三月起至十弐月
                                         「公翰」受付日記
 
内訳
種目数量単價小計
白米 石 (俵数一九四〇) 一、一七二・七三〇
  七五六・六〇〇 石一五・五〇 
   
玄米二四・四〇〇 (俵数  六一)三四壱・六〇〇
   石一四・〇〇〇 
糯米八九・六六〇 (俵数 一二九)八九三・八八〇
   石一八・〇〇〇 
味曽(噌) (十三貫目入六十九樽) 三・四五〇二三八・〇五〇
  八九七・〇〇〇 
醤油弐壱石五〇〇 円 代三八七・〇〇〇
 小訳一八・〇〇〇 
 小樽入六四・二五五弐・大樽一〇 
酒類二九・五七〇平均價格石三七・七〇代一、一一五・〇〇〇
 小訳 
 大山樽入四九・大坂樽入五八・大樽入醪弐壱 
麺類五〆目入二五壱〆目   五四〇六七・五〇〇
  壱弐○貫○○○ 
ウドン入壱函三・〇〇三・〇〇三・〇〇〇
白玉壱七函壱函平均  三三五五六・九五〇
食塩壱千俵壱俵弐弐○○、○○○
  四〇〇石○○○二〇〇〇 
中白六樽二十貫入壱樽 一〇二・〇〇〇
  一二〇・〇〇〇一七・〇〇〇 
三盆白十八叺十六貫目入壱叺 二八八・〇〇〇
  一六・〇〇〇 
玉砂糖五三樽一樽平均 七四二・〇〇〇
  一四・〇〇〇 
小豆函石四〇〇壱叺(四斗入)四・九五〇
  四・九五 
石油函一二九壱函   三・三五 四三二・一五〇
白絞五罐 五斗壱罐   五・〇〇二・五〇〇〇

蜜柑九四函
干柿弐個
樽柿三個
 飴八一鉢
手取飴菓子原料 四罐
 (単価)壱罐 三・五〇
 (小計)一四・〇〇〇
木綿八五個
莚類一三九個
硝子類二五個
漬物一四樽
青物七個
酒粕五個
塩魚四個
 茶五個
菓子十四函
干芋三一俵
金物類三二個
学校本八〇〇冊
 (単価)四三・六八〇
漬函一二三個
戸棚六個
 紙四個
小間物十一個
 莨三二個
ロ ー ソ ク四函
垂木十六個
 樌十四個
杉皮六個
岩糸三二個
手桶三個
三組杵壱個
石油函入洋酒三〇函
ビール(四打入)弐函
米糖七俵
長柾五四個
小舞六個
杉柾五個
草鞋三一個
空俵一〇個
草履五個
曲物二個
函入センコー弐函
マッチ六個
シルリ四個
五分枚三八個
八分枚四個
南京豆二個
 膳一個
 畳百〇五枚
畳表三個
中障子四個
陶器二九個
薄縁三個
下駄一八個
テ ー ブ ル壱個
コシキ壱個
 帳壱個
角燈二個
ガラス入函二三個
雑貨二三五
此レハ函又ハ叺入中味不明瞭物ニシテ薬品モアルナリ
夜具フトン一二個
手籠笊四個
麦粉ニツ合五十四個
 (単価)壱本六貫目入弐合代
五、〇〇〇
 (小計)二七〇、〇〇〇
スー大山樽六・大樽詰弐
空罐二二〇罐
 叺弐個
胡麻壱個
輪竹五個
綿ス七個
林檎・梨栗ニ一函
藁繩大三個・中三個・小八個
アバ縄三一個
大藁縄二三個
大倉縄三個
中間縄五六個
柿渋徳利葉入弐本
壱斗代三、〇〇〇
仏壇壱個
机腰掛五個
七島壱個
箪笥弐個
 傘五個
南京麻弐個
(備考・但綱類四〇丸 壱丸 二十貫 一貫目十二銭トスレバ代九六〇〇〇トナル)
實子繩四九個
ガニ繩太六個・細一七〇個
大間繩九個
實子網(綱)二四個