函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 下

第一七編 漁村の生活

第二章 伝説

第一節 伝説

義経伝説

古部の赤い崖の東に海に流れ落ちる大滝がある。古部の大滝とよばれる十尋(ひろ)ばかりの飛泉のくり出す崖の上に岩穴が二つあって羆(チラマンデ)(ひぐま)の穴という。
 その左に判官義経の住んでいた洞窟があるといわれている。この洞窟は判官(ほうがん)の屋形石(やかたいわ)とよばれている。
                                        『えぞのてぶり』
 
 フルベの大滝といふが十尋あまりとやいはむ、茂りたつ木の中より岩づらかけて、綿をくりいだすか、雪をこぼすかとおもはれて、
   しらゆきのふるへば夏といはがねにくだけておつる飛泉の涼しさ
 滝のかしらに穴二あり、羆(チラマンデ)のふる穴といふ〔天註―羆(シグマ)をチラマンデといひ、いと小さなるをビヤアウレツプといふ〕。その弓手に判官殿の屋形石とて窟あり。
                                        『えぞのてぶり』