函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 下

第一五編 宗教、教育、文化

第三章 文化

第一節 文化

郷土のうた

音頭と歌

昭和五三年、南茅部町の漁業開拓三百年の記念企画のひとつに町民の歌を制定することとして、一般町民から募集した。五篇の歌が届いていったん選考をしたが、佐藤町長は、より格調の高いものをと強い願いをこめ、詩人原子修(札幌在住)に作詞を依頼、作曲は先年北海道大学のオーケストラとともに来演した音楽家、川越守により町の歌「光あれ」ができた。
 町民のうたとして南茅部音頭と町の歌をレコード化することになり、レコーディングの世話をしてくれた東京在住の池田虎正の、南茅部町の紹介テレビ番組「花も実もある旅」の主題歌「大謀網ばやし」と、「ふるさと慕情」を加えてテイチクレコードでレコードを制作して、記念式典に有料頒布した。
 南茅部町音頭は尾札部の熊谷秀道(儀一)が唄い、大謀網ばやしは秀道の師匠で、木直出身の民謡歌手三島三秀が吹込んだ。
 南茅部音頭の踊りの振付は、舞踊家市東(しとう)三寿美が担当し、来町して直接指導してくれた。
 
  南茅部町歌 光あれ 原子修・作詞
            川越守・作編曲
 
  北方の風すさぶ岩…
  ふるさとひらいた
  ちちははの
  汗ひかる磯…
  山ふかくオオルリひめて
  千年の水いまあふれでる
  人として生きぬくことの
  尊とさこめて
  のぼれ
  陽よーこの町に
 
  北海の幸みつる湾…
  ふるさとはぐくむ
  はらからの
  夢さやぐ舟…
  波たかく鷗は舞って
  進取の空いま晴れわたる
  人として愛することの
  真実こめて
  とべよ
  雲ーこの町に
 
  光あれ
  心と心よせあって
  のびゆく南茅部
  光あれ

[図]

 
 大謀網ばやし
 
  池田虎正・作詞曲
  滝音泰・編曲
ハアー 春はカモメの
唄から明けて
黒鷲岬にホラ潮けむる
サーサ宝の入船乗せて
嬉し景気の 南茅部
花風
エーエ ヨイト
ヨイヨイ 弁天島
サテ 大謀網だよ
イヤサカサッサ
 
ハアー蝦夷が呼んでる
 北前船
 イヤサカサッサ
我ら先人が ホラ 海ひらく
サーサ 名代に心がこもる
楽し誇りの
 川汲尾札部 磯の帯
エーエ ヨイト ヨイヨイ
 恵比須浜
サテ 献上昆布
 イヤサカサッサ
 
ハアー 秋は紅葉の
 丸山こえて
古部入江に ホラ 滝が舞う
サーサ 漁火 イカ釣銀座
夢も豊かな 南茅部
 黄金波
エーエ ヨイト ヨイヨイ
 屛風岩
サテ 大謀網だよ
 イヤサカサッサ

[図]

 
 ふるさと慕情
 
  南郷輝巳・作詞
  池田虎正・作曲
 
緑のそよ風に
胸はずませて
茅部に 潮がたぎる
夢もふくらむ 紅の橋
渡る心で
口笛ふけば
遙かに海鳴りの
ふるさと慕情
 
峠のモミジが
囁きかける
夏の嵐も 台場の雪も
耐えて麗し 花園に
咲いて豊かに
村から町へ
いで湯にふれ合う
高原の宿
 
歴史を伝えし
さざれの石は
海に芽をふく 献上の花
秋を彩どる 山合も
偉業を語るか
大謀網は
その名に輝く
ふるさと慕情

[図]