函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第六編 漁業

第一章 郷土の漁業

第一節 昆布漁業

昭和二〇年以後の昆布漁業

 コンブは天然・養殖ともに天日乾燥が最良である。そして乾燥と保管が製品の良否を決める。
 天然コンブのように好天を待っていては、養殖の作業日程が円滑を欠いてしまう。作業を円滑にすすめるために、機械乾燥の利用が必要になる。
 はじめ、直火型の乾燥機が使われたが、乾燥が平均化しにくく、高温過ぎるなど難点があった。
 川汲漁協の吉村捨良(大正一四生)は、よい製品をつくるために乾燥機を低湿度温風取入装置に改良し間接熱風式乾燥機が良いとして、天日に匹敵する製品をつくり注目された。川汲漁協森野参事は、これを吉村式乾燥と呼んで組合員を啓発し、普及指導に努めた。乾燥室の換気を良くして、低温でゆっくり乾燥することが、よい製品をつくることであった。
 吉村捨良は、川汲の養殖コンブの開発に、永い間研究を続けてきた先駆者である。養殖技術や漁具の開発工夫に尽くし、社会的に貢献したその功績が認められて、昭和五一年、日本発明特許学会から表彰された。
 コンブ洗浄機の改良工夫のほか四件の特許をえている。
 昭和四八年二月、川汲漁協青年部坂本孝雄は、「促成コンブの技術改良について」全国漁業体験発表大会において、大賞に選ばれた。
 多くの指導と漁業者の努力によって、川汲漁協で開発されたコンブ養殖の技術は、北海道区水産研究所の監修により、渡島東部地区水産業改良普及事業推進協議会(南茅部町・鹿部村)の名で「促成こんぶ養殖管理暦」としてコンブ養殖漁家に配布された。

促成コンブ養殖管理工程 南茅部町水産課 昭和四十八年四月二一日[七月中旬-一〇月下旬]


促成コンブ養殖管理工程 南茅部町水産課 昭和四十八年四月二一日[一〇月中旬-八月上旬]