函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第六編 漁業

第一章 郷土の漁業

第一節 昆布漁業

昭和二〇年以後の昆布漁業

 川汲漁協の促成コンブ
 
  利用区画
 川汲の地先は、渚から水深一三メートル線まで天然コンブ礁がある。そして水深三五メートルから沖合に、大定置の漁場がある。この一五メートルから三〇メートルの間の海面が、養殖に利用できる海面である。
 一漁家当たり六〇〇〇平方メートルを区画して、養殖施設の海面を設定した。
  養成綱  はじめワラ綱・再成ロープ・化繊ロープ一六ミリメートル以上のものを使用したが、根付きが悪く、ノーブレンロープ一二ミリメートルに切り替えた。
  結束部分  従来、ロープのすれの防止に中古綱やセキマキ糸を使用していたが、着生するイガイの駆除に難があった。のちビニールパイプが利用されるようになった。
  施設連結綱  浮玉と幹綱を直結しておくと、波浪のため養成綱の上部のコンブが幹綱に巻き付いて脱落してしまう。幹綱の水位を水面から二~三メートルにしておくと、その欠点が補われる。
 施設の安定と昆布の品質向上を図るため負荷に対する浮力と施設の上げ下げを実施した。
 
  養成方法
 ○種苗の養成
 漁協の種苗センターから種苗糸が供給される。即刻、一〇本一束を二、三束ずつ連結して、水面下三~四メートルのところに、五日~一〇日間仮殖してのち本養成に移行する。
 順巻き・逆巻き・鉢巻きは密殖となるので、種苗の養成は間隔三〇センチメートルごとに挟み込みを採用した。
 ○間引き  一月、葉長が一メートル前後になると、養成網一メートル当たり一〇~二〇本ぐらいに間引きをして根縛(ねしば)りをする。
 ○施肥  本養成に入ると七日ごとに固型肥料(二四キログラム)を網袋に入れて投入する。
 ○施設浮上  養成水位を調整し間引時は一メートル線までで実入期直前に幹綱を水面より五〇センチメートルまで浮上養成綱下部を隣の施設の幹綱に連結延繩式に移行する。
 ○雑生物の駆除
 イガイや雑藻が施設に着生するので、これを器具などで駆除する。
 促成コンブの特長は、一月から四月まで急速に延び、五、六月から八月にかけて先枯れをおこす。先枯れの時期に尖端からの体部が、葉緑と共に枯れずにそのまま残る。そして、天然コンブより体長の大きい促成コンブに成長する。
 ノレン式は、一定の水位に養成しておくので、実入りは養成綱の上部ほど良く、下部が劣る。
 ○採  取
 採取は、全部同時に採取しないで、実入りしたものから順次採取する。
 八月に入ると、ヒドロゾア・コケムシ・ケイソウなどの着生によって製品価値が下がる。九月上旬以降は、コンブの老化(退化)が激しくなる。八月下旬までには大方採取が完了できるようにすすめる。