函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第六編 漁業

第一章 郷土の漁業

第一節 昆布漁業

大正・昭和初期の昆布採取

 昭和七年、道内水産物の検査規格の統一化を要望する声が強く、道庁長官佐上信一は、水産物検査の道営案を道議会に提案して可決される。検査事業は郡市の水産会から道庁に引き継がれ、同八年四月一日から北海道水産物検査所が発足した。
 まず地方別、検査所支所管轄の区域毎に検査規格の改善統一をはかり、印刷物を配布して生産者の指導につとめた。
 この間、検査所は昆布の産地の浜別に品質の実態調査、乾燥試験をかさね、結束器の作製などをおこなって検査に採用した。
 これらは昆布生産に対する産地の意識をたかめ、品質の向上と保持となり、昆布市場でも好評をもってむかえられ、種類が多い昆布の規格を類別体系的に検査規格をすすめるための画期的な役割を果たした。
 検査規格の統一は、昆布の販売方法に対する改善についても要望が高まった。
 しかし、戦争がはじまり、次第に統制経済の波が近づいてきていた。
 昭和一五年九月二四日、商工省告示第四六号により昆布販売価格が指定された。これが昆布売買(流通)に対する統制の始まりであった。
 昭和一七年三月二〇日、北海道庁は昆布の検査規格を改正して、昆布を品種と製品別に統一した(令第四一号)。
 製品の集荷販売は日海販に集められ、のち漁業会の発足にともなって戦時統制がすすむにつれて、昭和一八年以降は海産物も「質より量」の戦時型となり、昆布なども製品工程が簡略迅速化を求められて「皺伸しの廃止」結束の簡易化、等級の縮小などにまで及んだ。

昆布検査 徳田金蔵所蔵

 
   昭和十七年三月二十日北海道庁令第四十一号で昆布の検査規格を改正しこんぶの品種と製品別に統一したがその規格の骨子は次の通りである。
 ◎元揃昆布(一等、二等、三等、四等)
  (イ)まこんぶを原料とするもの
    黒口のもの(恵山岬から函館近海までのもの)と
    白口のもの(恵山岬から噴火湾沿岸産)に分けた。
  (ロ)りしりこんぶを原料とするもの
  (ハ)がごめこんぶを原料とするもの
 ◎花折昆布(一等、二等、三等、四等)
   まこんぶを原料とするものに限る
 ◎折昆布(一等、二等、三等、四等)
  (イ)まこんぶを原料とするもの
  (ロ)りしりこんぶを原料とするもの
  (ハ)ほそめこんぶを原料とするもの
  (ニ)みついしこんぶを原料とするもの
 ◎長切昆布(一等、二等、三等、四等)
  (イ)りしりこんぶを原料とするもの
  (ロ)ほそめこんぶを原料とするもの
  (ハ)みついしこんぶを原料とするもの及び内地向ながこんぶ、あつばこんぶ、くきながこんぶ、ねこあしこんぶ、とろろこんぶを原料とするもの
  (ニ)前記以外のもの(輸出向のもの)(一等、二等、三等)
   A ながこんぶ
   B あつばこんぶ、くきながこんぶ、ねこあしこんぶ、とろろこんぶ
   C 前記以外の品種
 ◎棒昆布(一等、二等、三等、四等)
  (イ)ほそめこんぶを原料とするもの
  (ロ)りしりこんぶを原料とするもの
  (ハ)みついしこんぶを原料とするもの
  (ニ)前記以外の品種のこんぶを原料とするもの
 ◎島田昆布(一等、二等、三等)
  (イ)まこんぶを原料とするもの
  (ロ)りしりこんぶを原料とするもの
  (ハ)前記以外の品種のこんぶを原料とするもの

まこんぶを原料とするもの

 内規
  (1)検査品名採取期節の区分及び表示は次のとおりとする。

[(1)検査品名採取期節の区分及び表示は次のとおりとする。]

  (2)一、二、三等品には一束ごとに産地票を挿入する。
  (3)検査の単位量目及び荷造標準

[(3)検査の単位量目及び荷造標準]

  (4)ま長切一等及び二等で一束の全長三尺仕立とするか又は二尺五寸仕立とするかは支所長が管下の実情を精査の上制限統一して検査並びに取引に混乱を生じないようにすること。