函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第五編 行政

第三章 町村の自治制

第二節 町村合併促進

二か村合併へ昭和三二年

 国では、三か年の時限法である合併促進法の終了に続くための新市町村建設促進法(法律第一六号・昭和31・6・30)を公布施行した。
 新市町村建設促進法は、合併した新市町村の建設の基本的なことがらについて、国、都道府県の協力や援助のあり方、合併によって生じた諸問題の解決と「未合併町村の町村合併をひきつづき進める」ことにより、町村合併の総仕上げをおこなうことを内容としたものであった。
 この法律は、施行の日から五か年間をもって自動的に効力を失う時限立法で、昭和三六年六月二九日が期限であった。
 また、町村合併促進法にはなかった未合併町村に対する国の措置を、次のように示した。
 総理大臣の勧告を受けても、なお町村合併を行わない町村に対して、小規模町村であることにより行われる国の財政上の援助措置は、行われないことがあるものとする(法二九条の2)。
 三か村の合併促進は、北海道の第二次計画と新促進法(略)の適用に合わせて、関係者の協議がつづけられた。
 昭和三二年一〇月、渡島支庁が作成した資料「町村合併は何故必要か」から、関係部分を抜粋してみると次のような内容であった。
 
   地方債について
 町村財政の現状から見て小規模町村は、臨時的な事業を実施する場合、財源の殆ど全額を補助及び起債に求めなければならない実状である。然るに、起債はもらう金ではなくて、利子をつけて返さなければならない金である。ところがこのように借金をする場合、個人と違って町村は自分勝手に出来ない。すべて知事の許可を要するのである。そしてこの起債の一般枠は、年々財政需要の増額に対して逆に減少しており許可を受けるのもなかなか容易でない。又許可の方針中には
 赤字団体は抑制する。
 既往債の元利償還金が一定割合以上に達しているものは抑制する。
 徴税成績の悪い団体は抑制する。
等、管内町村の場合はすべての抑制事項に該当するところばかりであるが、合併町村については「新市町村建設計画に基くものについては、この方針及び当該団体の財政力の許す範囲内において特に考慮する。」とあり、又地方財政法により起債を財源として充当できるものは制限されているが、合併町村については建設計画に基く事業で町村の永久の利益となるものについては広く起債を財源とすることができる。
 
未合併町村の財政状況
(一)歳 入(昭和三十年度は決算、昭和三十一年度は決算見込、歳出についても同じ)

歳入 (単位千円)

 
○ 尾札部
  一般財源中村税の占める割合が全道平均は勿論管内平均よりも下廻っており、又地方交付税の占める割合においても全道平均、管内平均を上廻っていることは八千人以上の人口を有しているとは言え財政力の弱いことを示すものであり、国道支出金、地方債の占める割合も全道平均、管内平均を上廻っていることは投資的事業を行う場合は依存財源に頼らなければならないということで、自主財源の乏しい結果である。
臼尻
  一般財源において村税の占める割合が概ね管内平均程度ではあるが、全道平均より可成り下廻っており、地方交付税の占める割合も全道平均より五割程度上廻っているということは財政力が全道平均に達していないということを示すものである。
○鹿部村
  一般財源において村税の占める割合は三〇年度一八%で管内平均より低く三一年度は若干上廻っているが、全道平均よりは低い。又地方交付税の占める割合は三〇年度は八%で全道平均、管内平均よりも低いが、平常の姿における三一年度においては管内平均よりは低いが、全道平均よりは上廻っており、従って財政力は現在の規模において全道平均に達していないということである。国道支出金起債等において高い割合を占めていることは、臨時的な事業は依存財源に頼らなければならないという事を示すものである。
 
(二)歳 出
註一、消費的経費とは人件費、物件費等当該年度限りで消費され翌年度以降に財政効果をもたらさないもの。
 二、投資的経費とは学校の建築費、消防自動車の購入費等財政支出の効果を翌年度以降に引きつづいてもたらすもの。
 三、義務的経費とは消費的経費と起債の元利償還金で当該年度必らず必要とするもの。

歳出 (単位千円)

 
○ 尾札部
  昭和三〇、三一年度とも義務的経費の占める割合は五〇%程度であるが、義務的経費と一般財源の額を比較して見ると昭和三〇年度義務経費二五、四〇二千円に対して一般財源は一八、八〇五千円で約六、六〇〇千円不足であり、昭和三十一年度は義務的経費二三、五一一千円に対し一般財源は二二、八二九千円で七〇〇千円程不足である。このような事実は赤字の原因をなすものであり、臨時的事業を実施する場合はその財源はすべて起債や補助金等の依存財源に求めなければならないこととなる。更に公債費は、ここ二、三年は増加の途を辿るので、八千人以上の人口を有するとは言え財政運営は容易でない状態である。
臼尻
  昭和三〇年度における義務的経費は二二、五〇九千円、これに対して一般財源は一九、九四二千円で二、六〇〇千円程度不足しており、昭和三一年度は義務的経費二三、六七四千円に対し一般財源は二五、五八〇千円で一、九〇〇千円程の余裕があるが、投資的事業費は殆んど起債や補助金等の依存財源に求めなければならない状況である。更に起債額の現況からみてもここ二、三年間は公債費が増加していくので財政運営は容易でない。
○鹿部村
  昭和三〇年度における義務的経費の比率は三〇%であるが、これは投資的事業が多かったため財政規模がふくらんだ関係であり、平年度の姿である昭和三十一年度について見るときは五七%を占めることとなる。
   義務的経費と一般財源の関係を見るに、昭和三十年度は義務的経費二〇、七一三千円に対し一般財源は一六、一七二千円で約四、五〇〇千円不足しており、昭和三十一年度は約七〇〇千円程不足する姿であるが、結局は、一般財源では義務的経費すら賄えないということになるわけで、これが赤字の原因となり、更に投資的事業を実施するためにはすべてその財源は起債や補助金等の依存財源に求めなければならないことになる。又、起債額の現況から見てここ二、三年間は公債費が増加していくので建全なる財政運営は極めて困難な状況である。
 
(三)住民一人当り消費的経費
 次に住民一人当りの消費的経費の額はどうであるかというと、昭和三十年度の決算を分析してみると、次のような状況である。
 即ち規模の小さい町村は住民一人当りの消費的経費が高いという実情である。

住民一人当り消費的経費 (単位千円)