函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第五編 行政

第二章 二級町村制

第一節 二級町村制施行

村役場

 昭和八年、臼尻村花輪村長の村政下、懸案の役場庁舎の改築の村会議決を得て一〇月二四日上棟式、一二月一九日改築工事が完成した。
 役場庁舎付属書庫、宿直室をふくめ延一〇三坪五合ならびに村長公宅二九坪を同時に完成した。

臼尻村役場


臼尻村役場平面図

 北越家所蔵の昭和一〇年代の写真によれば、新築当初の臼尻村役場庁舎は、モルタル仕上げの二階建のモダンな設計になる建物であった。
 役場の正面、道路沿いには横三条の桁子垣が設けられ、垣の内側には林業奨励の村にふさわしく椴松が並び植えられている。村長公宅は道路沿いと真後ろを黒板塀で囲んでいる。
 制度も改められ年を経て、今は産業会館が設置されているが、昔のおもかげを知らせるものは、毎春咲きほこる桜の樹である。
 臼尻村役場名残りの桜の名木である。
 大正一四年一二月一八日、臼尻村役場へあてた一通の官報電文がある。発信局はシカベ局で「アサツルノユエウマ一タノムカメ」とある。『明朝鹿部村温泉旅館鶴の湯へ迎えの馬一頭頼む 臼尻村長亀谷熊次郎』の意である。
 臼尻村へ帰る亀谷村長が鹿部村まで、常雇の馬で出迎えるようにという連絡指示の公用電報である。
 鹿部から臼尻までの沿岸自動車道路が開通したのは昭和四年である。大正一四年はまだ沿岸の道路は未完成で、処々山越えなどの悪路嶮路もあった。一二月一八日といえばすでに雪道であったと思われる。徒歩道(かちみち)の状態であれば、わざわざ迎えの馬を要請指示するとは思われない。

臼尻村役場改築棟札 臼尻村役場庁舎改築 二階建上棟


臼尻村役場改築棟札 臼尻村役場庁舎改築 二階建上棟


尾札部村長(大正3年) 臼尻村長(大正12年) 亀谷供次郎(熊次郎襲名) 函館 亀谷昴所蔵


[電報送達紙]