函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第五編 行政

第一章 村政のはじめ

第三節 戸長役場

戸長役場設置

 明治二八年一二月二〇日付で尾札部村戸長に発令された戸長・佐藤儀七郎の着任の挨拶文がある。
 
   不肖儀七郎ガ今般當尾札部村戸長拝命シ赴任致シマシタニ付キマシテ、皆様ガ此盛大ナル宴ヲ御開キ被下マシテ、不肖身ニトリマシテハ誠ニ感謝ニ耐マセン。
   私ハ不学短才ノ一分デアリマシテ、此重任ヲ帯ヒマスルハ実ニ其任ニタエザル次第テアリ升(ます)。
   殊ニ海浜ノ事ハ始メテノ儀テアリ升ニ依テ、先キニ兼任セラレマシタ篠田戸長君及当筆生阿部君ハ従前戸長モヲ勤ニナリ、引続キ當役場勤続ノ方デモアリ、又熊谷筆生君迚モ昨年早々ヨリ勤務ノ人デアリマスレハ、此諸君ニ就キマシテ夫々土地ノ情状ヲ承リマシテ勤励従事スルノ意テコザリ升乍、併吏員其職ニ居リテ如何程勉励イタシマシテモ村内重立諸君始メ 皆様ガ共同ノ御助成ヲ被下ナケレハ其整理宣敷ヲ得ルノ  難キハ 論ヲ俟ザル次第テアリ升。
   依テ皆様ガ此ノ懇親会ヲ開キ被下タル思召ノ通リ何事モ同心協力ノ御補助ヲ被下マシテ 万般ノ整理其宜シキヲ得、一村ノ幸福ヲ増進スルノ方針ニ向ヒマス様、偏ニ希望致マス。御厚意ニ對シテ一言ヲ述マス。(新得町 金沢静雄 提供)
 
 格調の高い挨拶をする佐藤戸長と、新戸長を緊張して迎える尾札部村の人びとの様子をほうふつさせるに足る語調である。

臼尻村役場筆生・辞令 森町 中村正勝提供