函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第五編 行政

第一章 村政のはじめ

第一節 箱館戦争

土方隊、川汲峠進攻

 兵糧・弾薬が配分されて、本道口攻めの本隊に先だって一〇月二二日早暁、土方隊総勢四百名が鷲ノ木を出発した。宿野辺から尾白内に出て海岸を進み、その日は砂原に着陣した。
 一〇月二三日、土方隊は砂原を出発して白雪の駒ケ岳の裾野を鹿部村に向かった。
 雪空は重くおおいかぶさり、寒風は身をひきさくように痛かった。
 巳の上刻、午前九時頃から北風がますます烈しくなり、雨雪が降りだした。曠野を進む隊列は、将校も兵士も軍服を着ただけで雪靴もなく、笠もかぶらず全身はずぶ濡れになった。手も足も体もこごえきった兵たちは、みな亀のように首も手足もちぢめて歯をくいしばって海沿いの道を歩いた。