函館市/函館市地域史料アーカイブ

南茅部町史 上

第一編 郷土の自然

第一章 位置

第二節 地質

 沖積世は完新世とか、現世とか、後氷期とも呼ばれることがあり、地質時代最後の時代で、更新世とともに第四紀を形成している。絶対年代からいえば、ほぼ一万年前から現在に至る間の時代ということができる。この時代には気候が更新世末期から次第に温暖化したことにより、氷河はとけ、海水準は上昇し、日本の縄文時代には海水準は現海水面よりも高位にあったと考えられ、縄文海進と呼ばれている。この時の海進の上限は四―五メートルと考えられている。この現象は全世界的なものであり、北欧でリトリナ海進と呼ばれる海面上昇も縄文海進に対比されるものである。
 沖積世に入ってからの気候の変化は北欧において花粉分析の研究結果からよく知られており、サブアークテック(暖・寒)、ボレアル(暖・大陸的)、アトランテック(湿・海洋的)サブボレアル(乾・暖)、サブアトランテック(湿・寒)のように時代分けされていて、寒暖の気候を繰り返したとみられている。この中でも、ボレアル中期からサブボレアル前期に相当する七〇〇〇―四〇〇〇年前頃は、高温期と呼ばれるように気温が高く、アトランテック期は特に気候最良期と呼ばれている。このような気温上昇に伴い氷河は縮小し、海水面が上昇したものと考えられる。
 沖積時代は現存する河川や海波などによる侵食や堆積が行われている時代であるから、われわれが現在見ている地形を形成しつつある時代である。したがって、扇状地堆積物、崖錐堆積物、河床堆積物、海浜堆積物、火山灰堆積物のような沖積世堆積物については、地形との関係において説明した方がよいので、そちらの項にて述べることとする。

第7図 南茅部町地形学図