函館市/函館市地域史料アーカイブ

戸井町史

第五章 教育の変遷

第二節 社会教育

 太平洋戦争以前にも社会教育はあったが、組織的な系統的な社会教育ではなかった。終戦後、社会教育の重要性が認識され、昭和二十四年六月、社会教育法が制定され、組織的な社会教育が法律で規定され、国は社会教育に必要な予算を計上し、地方自治体に「社会教育に必要な施設の設備及びその運営、集会の開催、必要資料の作製など」を義務づけた。
 全国の市町村では、社会教育法に基づき、社会教育の場である施設づくりに努力し、社会教育主事などを置いて、社会教育に力を入れるようになったのである。
 戸井町でも、昭和二十五年度から社会教育委員を委嘱し、社会教育主事を置き、昭和四十二年度以降、中央公民館、青少年会館、児童館、生活館などを次々と設置し、社会教育の充実進展に努力している。
 戸井町では昭和二十五年から十四名の社会教育委員を委嘱し、成人学級の開設、成人祭の開催、青少年不良化防止対策、視聴覚教育、スポーツの奨励、青年団体、婦人団体活動の振興などに当った。
 昭和二十七年には教育委員会が発足し、社会教育の仕事も教育委員会に引き継がれ、昭和二十八年になって、日新、潮光、汐首の各青年学級を開設し、青年の学習活動を奨励した。
 昭和三十四年には、社会教育法の一部改正に伴って、これまで全く無報酬であった社会教育委員にも報酬が支給されることになった。又社会教育関係団体に対して、補助金の支出が認められるようになり、同時にこれまでの諮問機関としての機能のほかに、教育委員会が社会教育委員に対して、青少年教育に関する特定事項の助言指導を委嘱することができることになった。
 昭和二十六年頃から青年の出稼ぎが次第に増加し、青年団体の活動が衰え始めた。婦人団体は昭和三十六年に村内七婦人団体が「戸井村婦人団体連絡協議会」を結成し、婦人団体相互の連絡協調を図りながら、単位婦人団体の向上発展に努力して来た。
 昭和四十二年には、社会教育施設として「中央公民館」が設置され、住民の社会教育に対する認識も一層高まり、教育委員会における社会教育の陣容も漸やく整備されて来た。このようにして公民館を拠点とする社会教育事業も益々多角的になり、広範になって来た。
 文化祭、町民運動会の開催、青少年健全育成のための「子ども愛護会」「子ども育成会」の結成と「子ども会」の育成援助、「老人大学」への援助協力等広範にして積極的な活動を続けている。
 
 1 戸井町社会教育の目標と事業
(1)目標
 変貌(へんぼう)する社会と生活の変化に対応して、生活を高め且つ豊かにし、住みよい郷土を築くため、町民の主体的な学習活動を促進し、生涯教育の観点にたった社会教育の推進を図(はか)る。
(2)基本方針
 ①自主性を育てる青少年教育の振興
 ②豊かな生活を築く成人教育の振興
 ③生活に根ざした文化の振興
 ④町民の健康増進と明るい人間関係をつくるスポーツの振興
(3)推進事項及び事業
 ①少年教育
  ○生活指導を充実し、健全な余暇活動の促進をはかる。
  ○年令の異なる集団での役割分担や協同意識にたつ生活訓練の体験をさせるため、子ども会の自主活動の促進をはかる
  事業として、レクリェーション大会・水泳教室・スケート教室・子ども会リーダー研究会・子ども会巡回指導等を実施している。
 ②青年教育
  ○青年団体の自主活動の促進を図り、併せて職業的能力を高め、職業観を確立して積極的な生き早斐を見いだすための学習機会の拡充を図る。
  ○文化・体育・スポーツ・レクリェーション活動を奨励し、健全な余暇活動の促進を図る。
  事業として、青年教育講座・青年団体リーダー研修会・成人式行事等を実施している。
 ③婦人教育
  ○婦人としての教養を高め、情操を深めるとともに、主婦、母親または就労する婦人としての資質を向上するための学習を助長する。
  ○地域における社会連帯意識の形成に寄与するための指導者の向上と婦人団体の育成を図る。
  事業として婦人教育セミナー・姉妹町、大間町婦人団体との交流集会・婦人団体リーダー研修会等を実施している。
 ④成人教育
  ○PTAや婦人団体等の自主的な活動を促進し、家庭教育に関する学習を行なうとともに、家庭生活を営む者として必要な事項について学習する機会の拡充を図る。
  ○広報活動及び読書活動を推進し、学校教育に対する理解関心を喚起(かんき)して健全な市民性を涵養する。
  事業として家庭教育講座・PTA研修会・教育広報誌『教育のひろば』(学校教育、社会教育を一体化したもの)の発行・文化、教育施設への図書の購入充実等を実施している。
 ⑤高令者教育
  ○高令者としての社会的能力を高め、若い世代の人々を理解することにつとめ、健康の維持につとめながら余暇を有効に活用するために必要な知識や技術を身につけるための学習活動の充実をはかる。
  ○老人クラブと老人大学との有機的な結合をはかり、老人のいろいろな要求を可能な限り汲みあげていく。
  事業としては、老人大学・他町村の老人大学との交流会等を実施している。
 ⑥文化活動
  ○芸術文化の創造活動の促進と鑑賞の機会を拡充する。
  ○次代を担う後継者に対し、開拓者精神と郷土愛を啓発するために、戸井町史を編纂するとともに、郷土資料を蒐集保存し、これを展示するための「郷土館」を設置する。
  毎年町文化祭を実施し、昭和四十七年末に「郷土館」が竣工し、六ヶ年の歳月を費やした「戸井町史」が昭和四十八年五月に刊行された。
 ⑦社会体育
  ○スポーツの場と機会を拡充し、スポーツの生活化をはかる。
  ○スポーツ指導者の養成確保とスポーツ団体の育成強化をはかる。
  事業としては、町民体育祭・町民ハイキング・スポーツ講習会・各種スポーツ大会の開催・町体育協会の結成等を実施している。
 
 以上が戸井町の社会教育の概要であるが、従来は学校教育に於ける校舎、施設設備に相当する社会教育の場がなかったため、その能率や効果が思うようには挙らなかったが、昭和四十二年の中央公民館の設置以来、年々各地域に社会教育の場としての近代的な施設がつくられ、社会教育の能率と効果の向上が期待されている。
 2 歴代社会教育委員(◎は委員長)

2 歴代社会教育委員

(注)委員長野呂進(日新中学校長)が昭和四七、三、三一日付で退職、昭和四七年度の委員長として木村雄太郎(日新中学校長)が選ばれた。