函館市/函館市地域史料アーカイブ

戸井町史

第一章 位置と自然環境

第一節 位置と地勢


[北海道図]

 戸井町は北海道の最南端にあり、渡島半島の南東部に位している。市街地は国道278号線に沿うており、函館と景勝地恵山道立公園の中間に位置している。
 戸井町の西端は、東経140度53分の地点で函館市石崎町と境を接し、東端は東経141度03分の地点で尻岸内町日浦崎と境を接している。
 最南端は汐首岬で、鈍角三角形を形成している海岸線の頂点になっている汐首岬は、北緯41度42分である。海岸線は西端の小安から、東端は日浦岬まで津軽海峡に面し、下北半島と相対している。海岸線の距離は延々16.6粁に達している。
 北端は函館市、尻岸内町と境を接する地点で、北緯41度46分である。
 戸井町は前述の経度、緯度の間に、変形菱形状に広がっており、総面積は532.700アールである。

[近郊町村図]

 渡島山系の支脈が海岸線に向って迫り、山林は総面積の76%を占め、農耕地は僅か7.6%に過ぎず、海岸沿いの国道に人家が帯状に並んでいるという純漁村である。
 渡島山脈の一部をなしている笹積(ささずもり)山(367米)、丸山(408米)、毛無(けなし)山(415米)などの山々が、戸井町と函館市蛾眉野との境界附近に聳(そび)えている。
 これらの山々に源を発する原木川、熊別川、戸井川、ウンカ川小安川、タカ屋敷川などが南に流れて津軽海峡に注いでいる。これらの川の分水嶺をなしている山々はすべて海抜400米内外の低山であるが、分水嶺から海岸まで8粁足らずの距離なので急傾斜の渓谷を下る川は急流となり、長年月の間に流域に深い渓谷を穿(うが)って海に注いでいる。
 昔はこれらの川にイワナ、ヤマベなどがたくさん棲息しており、秋には鮭や鱒が遡上したものだが、近世になってから熊別川、蛯子川、戸井川などの流域からマンガン、銅などの鉱石を堀り出したため、鉱毒が川にはいりヤマベ、イワナなども棲息しなくなり、鮭や鱒も上らなくなってしまった。