函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第5編 交通・通信

第1章 交通

第9節 戦後の陸上交通

5、函館・椴法華線『下海岸道路』の国道昇格

 昭和44年(1969)7月、下海岸道路の国道昇格と同時に着手した日浦トンネルが、足かけ5年の歳月をかけ同48年3月ようやく完成した。
 計画年度最終年の47年には、戸井町原木口付近で大量の土砂崩れが発生し工事進捗に支障を来したが、関係筋・現場の人々の必死の努力により、遅れを最小限にくい止めての開通なだけに、関係者は勿論、住民の喜びもひとしおであった。
 日浦トンネルは『〈延長〉815メートル〈幅員〉8メートル、両側には0.7メートルの歩道があり、トンネル内は157灯のナトリウムランプが昼夜自動点灯する』という国道にふさわしい近代的なものであった。一方、連なる素掘りの隧道と、柱状節理の絶壁とが織り成す海岸美を楽しむ人々にとっては、「いじわるなトンネル」でもあった。
 この年の「広報しりきしない」4月号の表紙は、日浦トンネル開通式の写真で飾られている。開通式に参列している関係者を、道路脇から真剣に見守っている住民の姿が印象的に写っている。また、日浦トンネルの開通を記念して作文の募集をしている。町民にとっても、また、子供たちにとっても、それだけの関心事であったのだろう。

[図]

 
 日浦トンネルの開通にちなんで「作文」の募集をいたします。トンネルは、みなさんの日常生活にどのような役割を果たしているか。また、開通によってどのような利点があるか。中を通った時のご感想など、どんなことでもよろしいですから応募してください。応募者の中から優秀作品について賞品をさしあげます。〈応募先 役場総務課〉
 
 なお、観光客に好評であった、この風光明媚な原木・日浦間の旧道路は、前浜の漁のためにも必要であり残して欲しいとの要望が出されたが、安全な道路として維持していくための予算化が難しいとの理由から、遂に廃道となった。