函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第5編 交通・通信

第1章 交通

第9節 戦後の陸上交通

5、函館・椴法華線『下海岸道路』の国道昇格

 1969年(昭和44)『広報しりきしない』の号外である。
 “下海岸道路”道道尾札部−戸井−函館線国道昇格内定!!の大見出しで、三好町長の喜びの談話が載っているので、その全文を次に記す。

[図]

 
 町民のみなさん、この度は全町民多年の願望がかない、国道昇格が内定されました。道南の“下海岸道路”道道が国道に昇格することが去る十一月十四日、道路審議会専門部会で内定の運び『昭和四十五年四月正式決定』となりました。
 本路線は、函館市を基点として、戸井−尻岸内椴法華−南茅部−鹿部−砂原−森の七町村を経て、国道五号線に通じる延長一三四キロ、沿道戸数一万五千戸に達する住民が最も頼りにしている重要路線であります。
 鉄道のない当地方では、今後の産業開発においては、魚族の豊富な魚田をもち水産額のみにても年間生産額六億円にものぼり、また、このほか地下資源も砂鉄、硫化鉄、大理石など、北海道総合開発の進展にも大きな役割を果たす地域であります。
 これら地域内の生産及び消費物資の輸送は、ことごとく本路線に依存しており、又自動車交通量も年とともに激増の一途をたどり、これらに相俟って交通事故が多発し、町民の悩みでもあります。また当町においては、恵山道立自然公園をはじめとし、観光資源も極めて豊富であり、当地を訪れる観光客は年々増加しておりますが、道路の悪さに驚いているのが現状であります。ここ十数年来の国道昇格を願う地元民の強い運動が実り、この度の国道昇格内定は、全町民とともに非常なる喜びであります。
 今回の国道昇格は、これまでのいろいろなる難問題を一挙に解決される条件がそなわり、今後は名ばかりの国道昇格ではなく、みなさまとともに、一日も早く完全整備されんことを願ってやみません。これからは、早期整備着工と、予算獲得に各関係機関へ全力を傾注する所存であります。
 どうぞ皆様の絶大なるご支援とご鞭撻下さるようよろしくお願い申し上げます。
 
 下海岸道路の国道昇格は、広報の“号外”を出し町長が喜びの談話を述べるほどの、行政にとっても住民にとっても長い間の悲願であり、大きな喜びであった。年明けて、 昭和45年3月1日、南北海道市町村連絡協議会の主催で函館市共愛会館を会場に、この『国道277号線(八雲・熊石線)278号線』の昇格を祝う式典が開かれ、集まった渡島・檜山管内の代表が喜びを分かち合った。
 席上、渡島管内・尻岸内町住民を代表し、尻岸内中学校2年生の米沢とも子さんが、「国道昇格は大変嬉しいです。今後、私たちの町の道路が、ますますよくなりますようお願いします」と力強く述べられ、代表者らの共感を呼び、関係機関へのさらなる努力を要望していくことを誓った。