函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第5編 交通・通信

第1章 交通

第8節 昭和前期の交通状況

3、幻の鉄道・戸井線

 根崎から国道278号を走り汐川を渡る時、左手に古びた「橋脚」が目につく。
 さらに車を進め汐首岬をかわすと灯台の真下、断崖にへばり付くような「8連コンクリートアーチの陸橋」が姿を現し、瀬田来に入ると「18連の陸橋」「25連の陸橋」と陸橋が続き、蓬内川には高さ10メートルを越す「3連の橋梁」がかかっている。
 計画通り進めば、昭和の初期、この橋脚・陸橋・橋梁の上を列車が走る筈であった。
 これが幻の鉄道・戸井線である。国鉄戸井線全29キロメートルの工事中最大の難工事、汐首岬の陸橋から蓬内川橋梁の竣工を終え、当初計画した終点戸井駅まであと3キロメートルに迫りながら、工事は突然中断され、その後、再開されることなく、ついに汽車の煙を見ることも、汽笛を聞くこともなかったのである。
 この戸井線については、以下の論文・調査報告をもとに概略を記すこととする。