函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第5編 交通・通信

第1章 交通

第4節 前期幕府直轄下の交通

1、幕府の蝦夷地直轄と道路行政

 この道路行政について、初代箱館奉行(幕府遠国奉行として1802年5月設置、1807年の全島上知以降は松前奉行と改称す)の、羽太正養はその公務記録の、『休明光記録』(巻之一)に、次のように記している。
 
 蝦夷の地は儘く嶮阻にして通路自在ならず、所としては人蹟絶え其海岸掻送り舟をもって、漸々に通路をなすといえども、風順よからざれば舟行の道をたち、徒(いたずら)に風を待ち日を送る。かくては事のあらん時 急を告るに妨あり、亦常に往来の煩(わずら)ひなれば、ことごとく道を開いて通路をつけ往来の煩(はん)なからしめ、又数里の間旅宿なければ、旅行のもの野宿の労にたえず、前にいう所の官舎(会所のこと)を建て旅宿とせん。
 先是等の数事を、さしあたる所の急務として手を下さる。