函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第4編 産業

第3章 鉱業

第1節 鉱業のあゆみ−硫黄

3、古武井硫黄鉱山の操業(前期)

 精煉には、耐火粘土製熔解器(レトルト)を用い、熔解器8本で1基とし、高さ1.8メートル、幅1.2メートル、長さ5.4メートルのレンガ製窯に並列、火口は1か所で火力が窯全体に行き渡る構造を持っている。この窯の後ろに銑鉄製の硫黄溜釜4個を配列し、溜釜と熔解器の間は鉄管で密接、熔解器(レトルト)の前口は陶製の蓋で塞ぎ、更にガス漏れをふせぐために粘土で目張りをしている。熱が加わると鉱石に含有している硫黄分は気化し鉄管を通過するときには液体となり溜釜に流れ込む、液化硫黄が溜まると釜底の小孔を開き冷却箱へ流入し製品硫黄とする工程である。この窯1基1回の精煉に、原鉱450キログラムを投入し250キログラムの製品硫黄を生産する。なお1昼夜で3~4回の精煉が可能である。
 各装置・部分の規格は、熔解器(レトルト)、長さ(外径)105センチメートル、幅48センチメートル、厚さ6センチメートル。溜釜、深さ54センチメートル、中央外径60センチメートル、厚さ6センチメートル。鉄管、長さ90センチメートル、厚さ6センチメートル、熔解器につく一端は、外径10センチメートル、溜釜につく一端は7.2センチメートルとなっている。精煉窯の建設費用は運搬費を含め、1基約250円を要する。
 旧山には、この規模の精煉窯が3基、新山には熔解器6本の窯が1基と旧精煉窯が1個設置されている。なお、精煉に要する燃料は薪材で窯1基につき1昼夜燃焼し、1敷(しき)(通称五十(ごっとう)と呼ぶ、2尺2寸の薪を5尺×10尺に積み重ねた量66×150×300センチメートル)を要す、価格にして55銭である。