函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第3編 行政

第5章 現在の郷土の行政

第2節 現在の郷土の行政

2、民選首長と郷土の行政

(4)山田・工藤町長時代

 東西の診療所を統合するのでまず建設地の設定が問題になったが、結局、第一診療所付近と決定、建設予定地は字女那川地内(171番地)とし用地を総額107万5千円で取得した。この用地買収に当たっては、菅英三氏より20万円、斉藤広一氏より20万円、計40万円の寄付金があるなど総合病院建設に対する住民の関心は高まっていった。
 こうして用地の買収も順調に進み、総合病院の建設工事は昭和35年12月20日着工、2か年継続事業で行われ36年10月30日に竣工、コンクリート補強ブロック2階建、1階678平方メートル・2階524平方メートルの近代的な国保総合病院本体が完成。昭和36年11月10日開設を許可され、尻岸内町の保健センターとしての使命を担い、内科・外科・産婦人科・歯科の4科を置いて医療業務を開始した。そして、12月29日からは公約である病院通院車(マイクロバス)も町内を定時運行、西は日浦・豊浦・大澗、東は御崎・恵山・古武井・日ノ浜方面の通院患者の便宜を図ったが、以降、日々往復とも大いに利用された。
 以下に、総合病院建設事業費の内訳の概略を記す。

[表]

 この国保総合病院が開設されてから町内は勿論、近隣町村から外来・入院とも訪れる患者が急増し、53ベットでは患者を収容しきれないという状態となった。そこで、入院病棟の増築を決定、昭和38年11月14日着工、翌39年3月30日竣工を見た。
 この第2病棟はコンクリートブロック1階建(217.8平方メートル)ベット24床を設置、既存と併せて77床のベットを有する病院となった。その後、昭和42年度には、医療用機械器具の新規購入と内部の改修、併せて恵山分院の改修事業を進める。
 総合病院期の施設設備の充実等について以下に、その概略を記す。
 
・昭和42年12月
 放射線500mmA発生装置及び断層装置を新規導入する。
 臨床検査器械(電気泳動装置)給食設備(ガスレンジ)など新規購入する。
・昭和43年8月
 町立国保恵山診療所(分院)新築完成する。
・昭和44年10月
 総合病院全館の暖房をスチーム暖房とする。
・昭和46年10月
 高度医療器械(自動現像器・自動血球計算器など)を導入する。
・昭和46年11月
 医師住宅2棟新築する。
・昭和47年11月
 病院増築(工費 1,566万円)X線テレビ装置( 2,250万円)を導入する。
 
 以上、42年以降毎年のように施設設備・医療器具等の充実を図ってきたが、昭和50年1月から翌51年7月にかけては、建物を含む大幅な改修工事を行っている。1階の内科・外科・処方室、待合室・玄関部分、その2階の手術室・ギブス室・回復室・作業準備室・消毒室・器材室・空調室部分(この工事費用、建物4,247万円、給排水3,528万円、電気工事 1,828万円)
 地域の人々から多くの信頼を寄せられ、又、大いに利用もされてきた総合病院であったが50年代に入り医療制度の問題、人口の減少や函館の病院への通院など、外的な要因も重なり、国保病院事業会計に陰りが見えはじめた。以下、町執行方針より、
 
・昭和56年三好町長 「国保病院事業会計・国保事業会計は年々厳しさを増しております。幸いにして国保病院の医師も充実されたので、国保運営協議会と十分協議し関係機関等の指導も仰ぎながら、町民の理解と協力を求め、職員一同真剣に時代に即応した感覚で経営の合理化・健全化を進めてまいります」
・昭和57年野呂町長 「国保病院事業会計・国保事業会計については非常に厳しい内容となっております。国保病院につきましては深刻な経営内容を分析し、国保運営協議会と問題点を十分に協議し、再建のためのあらゆる努力をしてまいる所存でおります」
・平成2年湊町長 「病院事業特別会計については、昭和63年、平成元年と2か年の経営健全計画を策定し策定にあたったところでありますが、平成元年は残念ながら再建計画の達成に至らず、厳しい運営を余儀なくされている実情でございます」
・平成5年湊町長 「病院事業特別会計については、患者の専門医指向による患者数の減少及び国の医療費抑制等により、診療収入が伸び悩み、更に人件費の増加も加わり、赤字体質が続いている状況にあります。現在『病院事業運営に関する審議会』に今後の病院の在り方について諮問しております。いずれにしましても町内唯一の一般病院として、皆様の生命と安全を守る重要な使命を帯びている施設でありますから、私は、病院は存続して守らなければならないと強く思っております」
 
新国保病院経営期(平成15年12月~現在)
 全道の自治体病院の殆どが赤字体質で存在そのものが問われている中で、本町は新国保病院建設に踏み切った。自治体の病院は採算がとれないから廃止という単純な理屈では割り切れない。とりわけ辺地での自治体病院に課せられた使命は大きい。昨今、本町の交通事情も確かに便利になり、函館までは道路も整備されどの地区からでも乗用車で1時間以内である。しかし、本数の少ない路線バスに頼らなければならない弱者も少なくない。
 新国保病院には、これからの地域医療のあり方をじっくりと見据え、その使命に応える病院経営が望まれる。
 
 新病院の概要
場  所  恵山町日ノ浜15ノ1外
敷地面積  14,689平方メートル(4,443坪)
建物面積  4,928・29平方メートル(1,491坪)
構  造  鉄筋コンクリート 3階建 塔屋1階
診療科目  内科・小児科・外科・リハビリ科
病床数   66床(一般26・療養40)
病  棟  2病棟(一般・療養)
その他   3階に展望浴場(準天然温泉)
駐車場   80台(患者用・職員用)

[図]