函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第1編 自然

第4章 恵山をとりまく海洋

第7節 海峡と漁業

2、マコンブの生育する寒流域は立待岬まで

 津軽海峡は、いわば東西1直線に置かれた1つの樋(とい)である。長さは80キロメートル、幅は20キロメートル、深さは200メートルである。所によって、前後、左右、上下に変動のあるのは勿論である。また場所により多少の湾曲もある。この樋を西から東に、最高7.28ノットの記録もあるが、今回は2〜4ノットの速さで、6〜7℃の津軽暖流水が、予期に反して深さ約300メートルの底まで通っていた。樋の北、つまり函館側を東から西に、太平洋から汐首岬まで低温の親潮が流れこんでいるのが観測で確認できた。さらに、この冷水が函館山沖にまで達するのが確認された。これは予期した通りであった。
 コンブの生育する所は親潮寒流の通る所である。函館海洋気象台で示した津軽海峡の海流図によれば親潮の入り込むのは汐首岬までである。また、それを裏づけるアイヌ伝説『武井ノ島』がある。しかし親潮寒流の来ないはずの立待岬と汐首岬との間の下海岸にコンブが量産されているのであるが、なぜであろうか。それを確めるために海洋観測をしたのである。その結果、理屈の上では寒流がなくてコンブが生えないはずである下海岸に、予想に反して寒流があり、コンブが生えている。寒流の終わる所が立待岬であり、ここでは海流速度も、海水温度も変化している。これは予想どおりであった。確かに、立侍岬はコンブの生育の限界点であった。
 
〈文献1〉 桜井泰憲‥津軽海峡のさかなたち、北海道大学水産学部公開講座、平成10年度
〈文献2〉 中田 淳‥スルメイカ、北のさかなたち、北日本海洋センター、1991
〈文献3〉 道南マイカ今年も豊漁、北海道新聞(夕刊)、平成10年5月30日
〈文献4〉 中田 淳‥ヤリイカ、北のさかなたち、北日本海洋センター、1991
〈文献5〉 藤沢千秋他‥木古内湾のマダラ成魚の移動回遊、北海道立水産試験場研究報告、第47号別冊、平成7年12月
〈文献6〉  三橋 正基‥クロマグロ、北のさかなたち、北日本海洋センター、1991
〈文献7〉 マグロ豊漁、北海道新聞、平成9年11月9日
〈文献8〉 大石圭一他‥津軽海峡・海流調査、コンブの生育地の確認のために、New Food Industry Vol.26 No.8、1984

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