函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第1編 自然

第4章 恵山をとりまく海洋

第4節 津軽海峡東口は複雑な海洋構造

3、フロント形成期のブルーミング発生

 図4−5に2月の水温(a)、塩分(b)、密度(c)の鉛直断面図および水深5メートル、30メートル、50メートルにおける流向流速図(d)を示す。この図は、恵山から下風呂の間で1.0〜1.5マイル間隔で観測した12点の観測ラインWT−3(観測点No.301〜312)から得たものである。密度は水温・塩分の測定結果から計算によって得た。
 ここで密度について説明をしておこう。密度とは単位体積あたりの質量であるが、これは水温と塩分と水圧で決まる値である。塩分が上がると密度も上がり、温度が上がると密度は下がる関係にある。そしてまた表面海水の密度が上がると、海水の沈降が起こるのである。よって高緯度域で形成された高密度海水は、海底に向かって沈降し、大洋の底層水塊を形成する。これはどんな働きをするかというと、深層に溶存酸素を供給することになるのである。
 恵山、下風呂間の中央よりやや南側の観測点307と308の間の表層にフロントが形成され、そこから恵山よりの観測点305〜307の海底にかけてフロント域が見られる。フロントの北海道側では水温、塩分がそれぞれ4℃以下、33.4以下、青森側では8℃以上、33.8以上となっている。また流速は観測点307では0.7ノット(5m層)であるのに対し、308ではその約4倍の2.7ノット(5m層)とフロント域の南で流速が速くなっている。

図4-5