函館市/函館市地域史料アーカイブ

恵山町史

第1編 自然

第4章 恵山をとりまく海洋

第1節 日本をとりまく海洋

 海水の運動としては、風波、津波、潮汐波などの「波」がある。これらは風や地震、起潮力などによって引きおこされる運動である。それに対して、変動が少なく長期間にわたってほぼ一定の方向に運動するものとしては、「海流」がある。日本列島の太平洋沿岸を北上する黒潮は代表的な海流である。黒潮は、アメリカのフロリダ半島東岸を北上する湾流(ガルフストリーム)に次ぐ世界最大級の海流でもある。黒潮の流速は秒速約2メートル、流れは深さ1000メートルまで及ぶ(〈文献4〉)。
 風波も風によって発生する海水の運動である。波は海面の振幅が伝えられるだけで海水そのものは移動しない。それに対して海流は、海水そのものが移動する。
 海流には低緯度から高緯度に向かって流れる暖流と、高緯度から低緯度に向かって流れる寒流がある。日本近海でいえば黒潮が暖流、親潮が寒流である。いずれも熱を輸送し、地球の海水温度を均一化する役目を果たしている。海流は沿岸の気候をも左右する。たとえば暖流である湾流が西側にあるヨーロッパは、同じ緯度にあるカナダよりもはるかに暖かい。暖流は塩分濃度は高いが、酸素や栄養塩が少ないためにプランクトンが少ない。一方、寒流は塩分濃度は低いが、酸素や栄養塩が多いという違いもある。