函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第10章 学校教育の発生と展開

第1節 近代学校教育のはじまり

2 「学制」の公布と小学校の開校

 まず小学校の開校である。6年3月の改革案に添付されていた小学校開校案(甲号)の大意は次のようなものだった。この開校案の認可により具体的な開校への動きが始まったのである。
 
(1)学制二一章により尋常小学を設立する。
(2)函館区中を三区(一区二〇〇〇戸・約一万人)に大別し、各区毎に小学校一校を置く。ただし一区中の小学校就業年齢に当るものはその一〇〇分の一、即ち一校に生徒は一〇〇人。
(3)師範学校卒業小学教師三名を雇い各校に一名ずつを配置する。
(4)一校に副教師三名計九名を置く。とりあえずは従来の学校(函館学校)の生徒から二〇歳以上生質敏達の人を選ぶ。師範学校にならい雇教師が教授し、副教師は昨日習った所を今日に、今日習った所を明日に生徒へ伝へる。
(5)学制の学区取締にならい戸長三名に小学校御用兼勤の名義を与へて手当を支給し、生徒入学を懇説し、学校の費用を富民に寄付させるなどの事を司らせる。
(6)生徒授業料は内地同様にはいかないので、当分の間は学制書載の半額とする(上等月額二五銭、下等一二銭五厘)。但事実困窮して授業料を払えない者は、実地調査評議の上で、下等授業料の半額六銭二厘五毛とする。
 年費概算 四五六六円(人件費・空家借り上げ代・修復費・薪炭油筆炭紙代など)
   内     三〇〇円  生徒一〇〇人上等授業料一年分見込
         三〇〇円  生徒二〇〇人下等同上
   合計    六〇〇円
 差引  金三九六六円   官費
(7)小学校を使って隔夜に「夕学筵」(夜学校)を開き、一二歳以上一六歳以下で働いている者に小学校教科を教授する。授業料は、小学校下等授業料の半額六銭二厘五毛とする。