函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第9章 産業基盤の整備と漁業基地の確立

第2節 諸工業の発展

1 函館船渠会社の成立

 建設工事は浚渫・埋立工事が先行して、修船台・船渠工事が進渉(表9-20参照)するが、1000トンの船舶を曳揚できる修船台工事は32年より開始され、15か月間の工期予定はやや遅れたが、34年1月に落成した。4月12日、室蘭・青森間定期船(郵船会社)の陸奥丸(911トン)が定期検査で上架した機会に一部の開業式が挙行された。4月7日付の「北海道毎日新聞」には
 
船渠会社の引揚船渠は過般落成したるを以て、爾来三隻の汽船を引揚げ修繕したるところ……結果最も宜しき由なるが、右修繕の申込は仲々多く今日にては当港其他の汽帆船にして小なるものは、わざわざ東京、横須賀等各地に運航するを要せず、同船渠に於て修繕することを得るに至れり、尤も大船渠の落成も遠からざる内にありとのことなれば、却って他地方より当港に修繕のため来航する者多きを加ふるに至るべしと

 
 とあるが、前掲の表9-21にみる通り34年以降上架船は増加している。