函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第7章 近代海運の発達と北方の拠点港

第4節 汽船主導の海運界

1 日本郵船による海運網の拡充

 郵船の定期航路は23年度に神戸・横浜・函館線(毎週3回、6隻)が増強されたのは、前に述べたとおりであるが、この航路は横浜・神戸線(毎週2回、2隻)を吸収したものであった。それが25年から函館・小樽線も同線に吸収されて神戸・小樽東回り線(3日に1回、6隻)に改称された。これに伴い従来の神戸・小樽線は神戸・小樽西回り線(毎週1回、4隻)と改められた。ちなみに東回り線は神戸-四日市-横浜-荻浜-函館-小樽であり、西回り線は神戸-尾道-門司-境-伏木-直江津-新潟酒田-土崎-函館-小樽(この路線は冬季間は寄港地が変更された)であった。この東西の神戸・小樽線は北海道における海運事情のなかで小樽の持つ位置を高いものとしていった。それとともに郵船の経営状況との関連において北海道関係航路の持つ意味が大きく変わってくるのである。というのも表7-17のとおり神戸・小樽東西線という本州と北海道を結ぶ長大な定期航路が増収を続け、損益も黒字であるのに対してかつては三菱の中心航路であった横浜・四日市線は22年度以降減収傾向をたどった。これは東海道線の全通により旅客が大幅に鉄道に流れたことによった。
 これらの定期航路とは別に船客貨物の多寡により、その需要の多いところに回船するいわゆる臨時船と称される不定期船を北陸・奥羽各港に配するとともに函館を始めとする道内の各主要港にも配船した。しかし不定期航路は社外船の活動が活発化するなか打撃を受け、また郵船自体が国内の鉄道網の整備により営業の中心を本州・北海道航路、北海道沿岸航路へと移さざるを得なくなった。
 
 表7-17 日本郵船函館関係航路収支 単位:円
年度\区分
神戸・函・小樽線 (西回り)
神戸・函館・小樽線 (東回り)
青森・函館・室蘭線
函館・根室
収入
支出
収入
支出
収入
支出
収入
支出
明治20
  21
  22
  23
  24
  25
  26
  27
  28
  29
  30
  31
237,325
237,536
307,906
431,915
428,655
432,608
403,595
377,947
457,287
422,271
605,571
629,462
202,334
191,796
248,458
272,640
278,141
290,517
251,423
296,348
580,723
412,159
571,723
592,648
909,764
925,525
917,022
1,066,198
1,329,012
1,184,299
1,063,764
1,000,226
873,306
1,147,945
1,711,289
2,158,549
504,827
531,383
601,457
735,131
925,715
813,481
654,188
684,065
901,063
1,078,850
1,392,002
1,881,307
67,810
86,456
92,227
78,694
61,068
86,367
96,016
138,098
162,245
217,121
249,590
286,467
60,245
73,139
76,825
80,617
76,295
82,010
79,758
100,956
104,606
148,077
171,536
263,946
98,664
84,691
49,566
84,971
81,140
68,752
46,532
82,961
97,674
72,326
56,990
108,447
72,573
59,905
58,050
61,702
57,877
58,181
41,918
58,916
66,452
66,048
67,983
89,993