函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第3章 北海道庁設立と自治制への歩み

第2節 自治制への歩み

2 自治区制の実施

 明治32年10月1日、札幌、小樽と共に函館に区政が施行され、函館区役所が誕生、函館支庁長であった龍岡信熊が区長選任まで区長事務取扱となった。なお、この時亀田支庁が函館支庁と改名され、従来通り、亀田、上磯、茅部、山越4郡を所管した。11月30日から12月2日にかけて区会議員選挙が執行され、30人の区会議員が選出された。新議員により12月14日、函館区会会議規則(7章51条)、函館区会傍聴規則(7条)を決める区会が開かれ、両規則が議決された。議長は龍岡が務めた。これは区制第72条に依り、区長候補者及び助役の選挙に先立ち両規則を議定して道庁長官の認可を得る必要があったからである。次いで16日に区会が開催され、議長より先の両規則が道庁長官の認可を得たことが報告され、区長候補者3名、助役、議長代理の選出に入った。選挙は出席議員26名の匿名投票で行われ、区長候補者選出では、林悦郎26点、木村広凱21点、中村修一18点、曽我部道夫7点、鈴木米三郎4点、時任為基1点、阿部興人1点で、上位3名が区長候補者に当選し、助役は北守政直が26点で当選し、議長代理選出は、平出喜三郎22点、小川幸兵衛3点、田中正右衛門1点で、平出が当選した。次に議長は区長候補者の選挙結果を内務大臣に上奏する報文と助役1名選出したことを道庁長官に認可願出の文を朗読し、異議なく決定した。
 明治32年12月8日、第1回区会が開催され、区広告式規則など5議案が議決され、ここに区制による区会の開始をみたのである。なお、林悦郎が区長に就任したのは、明治33年1月17日であった。

初代区長林悦郎 『函館教育界沿革史』より


行政の歩みを今日に伝える区会書類


図3-1 明治32年自治区制函館区の行政区域

名称
区域
函館区従来の函館区
亀田郡亀田村ノ内
 字村内
 字大川通ノ内
 字五稜郭
 字陣屋
 字千代ヶ岱
 字湯川通
 字柏野
 字十文字
 字村内川東
 字万年橋
 字ゴミ川ノ内
 字有川通ノ内
 字札幌通
 字八幡社後手
 字田家ノ内
 字六軒家ノ内
 字鍛冶村通ノ内
 字前浜
 字万年橋脇

 『官報』[明治32年9月4日内務省令第46号(官報搭載日9月4日)]より作成
 注 同省令の但書「現在ノ町村名ハ大字トシテ之ヲ存ス」により、新たに函館区に編入された亀田村域は、函館区大字亀田村字何々となる。