函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第3章 北海道庁設立と自治制への歩み

第2節 自治制への歩み

1 北海道議会開設運動

 第3議会への請願運動については、函館から上京委員が派遣された痕跡があるが、内容については現在不明である。第4議会に於ける函館の動きは以下のようであった。明治25年10月16日、東北遊説中の加藤政之助、肥塚龍、浅香克孝らの改進党員が函館に至り、翌17日、金仙楼で函館有志による懇親会が開かれ、約80名が出席、北海道議会開設、北海道より代議士を選出する件について話し合われた。11月8日には、上嶋長久、熊田宗次郎が発起人となった左の文書が出されている。この時期の北海道議会開設運動関係の史料が全く乏しいこと、実物の文書であることから全文引用しておきたい。
 
拝啓益々御清適奉賀候陳は帝国議会開設の時期も既に切迫致候間此際北海道議会の事及船渠設置等北海道並函館の前途に関する公共問題に付篤と御協議を遂げ併せて有志大懇親会相催し度候間万障御繰合せの上来る十日午後正一時を期して蓬莱町金仙楼へ御来会被成下度希望の至りに堪えず候敬具
但し会場の準備も有之候間御差支の方は来る九日正午迄に北溟社巴港社の内へ便宜御申込み相成度同時刻迄に御通知無之方は御同意の事と見倣し手配致すべく候尚ほ会費金一円五拾銭当日会場へ御持参の事
 十一月八日
               発企人
                 上嶋長久
                 熊田宗次郎
               賛成者
                  伊藤鋳之助(以下一九名)
      松代良吉 殿
(「北海道函館広告集」北大蔵)

 
   なお、伊藤鋳之助以下の賛成者は平出喜三郎、遠藤吉平、馬場民則、小川幸兵衛、林宇三郎、斎藤政七、興村忠兵衛、網塚忠兵衛、種田直右衛門、高橋文之助、逸見小右衛門、三田已蔵、竹内与兵衛、和田惟一、田中和三、八木橋栄吉、尾崎幾三郎、鈴木作内、工藤弥兵衛の面々であった。
  11月10日の会には発起人より案内状を受けた人達の内、150余名が集まり、工藤が仮議長となり協議が進められ、平出らの発言がなされた後、国会への請願委員派遣の方向が確認され、明治26年1月に北海道議会請願委員として八木橋栄吉が上京、函館の請願事務所に上京後の活動を報告している。なお、第4議会に対しては、札幌、小樽を中心に拓殖振興会という組織が形成され、開拓推進をテーマとする国会請願が行われた。
  第5議会への請願では、評議員を中心にした活動で明治26年11月下旬段階で函館の北海道議会開設請願署名者数は150余名に達し、評議員会の協議、決定により竹内与兵衛が請願委員として上京している。函館とは別に、第5議会には、札幌の北海道毎日新聞社員、久松義典を中心とする国会請願が成された。