函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第3章 北海道庁設立と自治制への歩み

第1節 北海道庁設置に伴う行政機構

3 警察事務の所管

 北海道庁となって警察事務と警察署の所管はしばしば変わっている。函館県から北海道庁函館支庁となったときには、警察事務を統括する警察本署がそのまま引継がれているが、事務分掌をみると「警戒検察及消防、未決已決囚ノ監護、戸籍衛生病院及墳墓、徴兵恩給及扶助」とあり、職掌が広範囲になっている。しかし19年12月、函館支庁が廃止されたときの官制改正で本支庁とも警察本署は廃止され、道庁の第1部警保課が警察事務を担当することとなり、この警保課の事務分掌は「警察、監獄、衛生及病院ニ関スル事」(明治20年5月9日訓令第28号北海道庁処務細則)となった。郡区警察に関しては、郡区長の職務を規定した条項で次のように改正された。
 
郡区長…長官ノ命ヲ承ケ法律命令ヲ部内ニ執行シ部内ノ行政事務ヲ掌理シ、兼テ郡区警察署長ト為リ警部警部補ヲ指揮監督ス」
          (明治十九年十二月二十八日勅令第八十三号改正北海道庁官制第二十三条『官報』)
 
 またこの官制改正を受けて次のような庁令も出された。
 
  各郡区役所々在地ニ警察署ヲ設置シ其管轄区域ハ郡区役所ノ管轄区域ト同ジ
(明治二十年一月十五日北海道庁令第二号『北海道庁布令全書』)

 
 つまり長官出張所詰理事官兼函館区長兼亀田外1郡長となった二木彦七は函館警察署長も兼ねることになったのである。亀田外1郡に関しては、函館県時代以来函館警察署が亀田上磯両郡を管轄し、亀田には16年11月14日に函館警察署亀田分署が亀田郡一円を担当する分署として設置されており、この分署が亀田警察署となり、ここの署長も二木彦七の兼務となったわけである。次いで同年5月20日、1郡区役所内1警察署ということから函館水上警察署(18年12月に元開拓使函館支庁船改所に開署)は廃止され、函館港内の水上警察の事を扱う函館警察署仲浜町分署が設置(庁令第52号)された。同日庁令第53号をもって亀田警察署内に銭亀沢、戸井、椴法華、七飯、茂辺地、知内の分署が増設され、函館県時代からの上磯、泉沢(21年8月木古内分署と改称)、尻岸内、大野の4分署とともに10分署となった。分署は戸長役場内に置かれることとなり、各分署2名の巡査が配置(訓令第38号)された。郡書記は道庁警部補が兼務発令されるものもあり、分署長は戸長兼務で行政事務と警察事務を1人の人間が担当する簡易体制となったのである。ところが翌21年3月3日、亀田外1郡役所と茅部外1郡役所が合併し亀田外3郡役所となり、郡役所は亀田郡七飯村に設置され、亀田、上磯、茅部、山越の4郡を管轄することとなった。このためこの4郡を管轄する警察署が郡役所々在地に設置され七飯警察署(3月8日付)となった。このとき亀田警察署は七飯警察署亀田分署と名称が変わり、分署長には北海道庁警部補瀬島常隆が任命され、管轄区域も亀田郡のうち亀田、鍛冶、神山、赤川、石川、桔梗、上湯川、下湯川、亀尾の9か村となった。なお茅部山越両郡内には七飯警察署所管の分署として森、長万部川汲、山越内、臼尻、鹿部、砂原、鷲木、落部の10分署があった。