函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編2

第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ

第2章 開拓使の設置と函館の町政

第2節 統治機関の創設と通信網の近代化

4 郵便

 明治3年にイギリスの郵便制度を学んできた駅逓司権正前島密は、政治上も商業上も郵便通信制度の整備は必要欠くべからざる事業であることを主唱、4年1月24日の布告で、東海道筋に飛脚に代わる郵便が3月1日から実施されることが布告された。
 東京と京都が36時間、東京と大阪が39時間と所要時間は短縮(表2-16)された。ただ郵便料といえる賃銭はまだ距離制であった。これは東海道筋の郵便制度実施状況をみる中で、早々に決定をみた横浜への郵便役所設置(7月15日開業)でも同じであった(「太政官日誌」『維新日誌』)。
 横浜に郵便役所を開業した翌8月に、駅逓司は大蔵省3等駅逓寮となり、前島密は駅逓頭となった。郵便の全国網に意欲を燃やす駅逓寮は、この月、他の開港場(函館、新潟長崎、神戸)にも郵便役所を設置することを通達した(「太政官日誌」『維新日誌』)。さらに郵便制度実施に当たって外国人への配慮を意識した太政官は、5年2月、遅配誤配防止のため外国人居宅に番号を付けるよう領事に依頼するようことも指示している(「開公」5732)。
 
 表2-16 各地(東京より)所要時間と賃銭表
(賃銭単位:文)
地名
神奈川
箱根
静岡
浜松
岡崎
名古屋
西京
大阪
所要時間
2:00
7:00
12:05
18:01
22:06
25:00
36:00
39:00
賃銭
100
300
500
700
900
1,000
1,400
1,500

 「太政官日誌」『維新日誌』より作成